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【無料】基礎から分かる水産用語<222> 水産エコラベルとは

みなと新聞で毎週火曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。

みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


水産エコラベルとは

 主に、水産資源の持続的利用などに配慮した漁業や養殖業を認証する制度。認証品などに貼られたラベルそのものを指す場合もある。認証は国連食糧農業機関(FAO)の水産委員会が採択したガイドラインに沿って行う。認定基準を満たした商品はラベルの表示が可能で、消費者へ水産物の持続性を訴求できる。

 認証では、漁業は適切な漁獲管理や生態系への影響評価、養殖業は養殖魚の健康管理などについて一定の水準をクリアすることが求められる。認証によっては有効期限があり、数年ごとに更新審査を実施する場合もある。

 世界にはさまざまな水産エコラベルがあるが、日本では主に海洋管理協議会(MSC)、水産養殖管理協議会(ASC)、マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)の各種認証が活用されている。水産庁によると、国内ではMSC認証の取得が最も多く、2024年3月末時点で26の漁業、370の事業者が認証を受けている。

 水産エコラベルの認知度は低い。農林水産省が19年に実施した調査では、一般消費者(895人)の約6割が水産エコラベルについて「知らない」と回答。漁業者(283人)においても、半数以上が「知らない」と答えた。こうした中、水産庁は認知度向上に向けて、水産エコラベル認証商品に関する商談会を開催する企業を支援している。

みなと新聞本紙2024年9月17日付の記事を掲載