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【無料】基礎から分かる水産用語<156> 魚群探知機とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


魚群探知機とは

 超音波の反射によって水中の魚群の存在や量、種類、水深、海底の様子などを知ることができる漁労用電子機器。「魚探」と略される。超音波の発信から受信までの往復時間を距離に換算し、深度として表示する。超音波を受発信する送受波器とデータを画像処理する本体およびディスプレーの指示部で構成されている。釣りなどのレジャーでも活用されている。

 魚探の超音波は船底から自艇の真下に向けて発射され、途中で魚群に当たると極めて微弱な反射波として船底付近に戻ってくる。そこでキャッチされた反射波は電気信号に変換されて魚探の受信回路へ送り込まれ、ディスプレー上にカラーで表される。反射波の強弱により、魚群の大きさや密度、海底の形状や底質などを色別に表示する。

 設置に関して、主要メーカーの古野電気は、指示部はキャビンやブリッジなどの見やすい場所に設置し、送受波器は船底から真下へ突出させるか、船底内に設置することを推奨している。同社は「魚探の性能は船底の送受波器の設置によって決まる。設置場所を間違えると、海中からの反射波をうまく捉えられないなど致命的なダメージを受けることもある」と説明する。

 魚探は1948年に古野電気創業者の古野清孝が世界で初めて実用化し、同年から同社の前身である古野電気工業所が販売を開始した。

みなと新聞本紙2023年10月17日付の記事を掲載