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【無料】基礎から分かる水産用語<64> 200カイリとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

200カイリとは

 基線(海)から約370キロメートル(1カイリ1852メートル)の距離で、沿岸国がその範囲内で水産物や鉱物、エネルギーなど天然資源の探査、開発など経済活動の主権的権利と、海洋の科学的調査、環境保護などを管轄できる排他的経済水域の範囲のこと。日本は領海と合わせると約447平方キロにおよび、国土面積の約12倍で世界6位の広さとなる。

 排他的経済水域はEEZ(Exclusive Economic Zone)とも表記する。領海(12カイリ)を含まず、どの国にも所属しない公海に準じて船舶航行の自由、上空飛行の自由が認められている。

 特に、漁業関連では200カイリ漁業水域といい、沿岸国が水域内で排他的に漁業と資源保護を行うことができる。同水域は1977年に米国が設定し、各国が短期間でこれにならって設定した。遠洋漁業が盛んだった日本は設定に消極的だったが、世界情勢や近隣国の漁業の成長などにより、96年の国連海洋法条約の批准とともに設定した。

 島から同水域を設定する場合は、基点が天然の島であることなどの条件がある。他国と400カイリ以上離れていない場合などは、境界画定などで国際的な係争になることもある。その場合は両国が話し合い、境界を決めることとなっている。日本は韓国や中国、台湾などとこうしたラインを設定している。

みなと新聞本紙2022年11月4日付の記事を掲載