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【無料】基礎から分かる水産用語<63> 水産流通適正化法とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

水産流通適正化法とは

 違法な漁獲物の流通を防ごうと、2020年12月に公布した法律で、今年12月1日に施行する。正式名称は「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」。「水産流適法」などと略される。国内で不法な漁獲がなされるおそれが大きい魚種を特定第一種水産動植物に、外国漁船により違法に漁獲されるおそれの大きい輸入水産物を特定第二種水産動植物に指定。第一種にはアワビやナマコ、シラスウナギが、第二種にはイカやサンマ、サバ、マイワシが指定されている。シラスウナギは猶予を設け、25年12月から適用する。

 第一種は取扱業者に生産の合法性を証明する情報の伝達・記録を求める。アワビとナマコの採捕者や取扱事業者の届け出が義務化され、対象者は施行日までに届け出が必要だ。輸出時には適法漁獲等証明書を添付しなければならない。

 第二種の輸入時には外国の政府機関などが発行する適法採捕証明書の添付が必要となる。同証明書には漁船や製品、資源管理措置の情報などを記載する。第三国経由で日本に輸入する場合は、同証明書に加えて第三国(加工地の)政府が発行する加工申告書などの添付が必要。加工申告書には加工情報などを記述する。

 法施行を1カ月後に控えていることから、水産庁は「制度の対象になりそうな事業者は早めに準備を」と呼び掛ける。

みなと新聞本紙2022年11月1日付の記事を掲載