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【無料】基礎から分かる水産用語<169> チリギンとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


チリギンとは

「チリ産ギンザケ」の略称。チリで養殖され、冷凍ドレス形態で日本に年間8万~11万トン搬入される。

 ドレスのサイズは4/6ポンドや6/9ポンドがある。4/6ポンドは「日本のスーパーで使いやすいサイズ」と商社。ただ、6/9ポンドの方が生産者の費用対効果が4/6ポンドよりも良く、日本以外の市場で人気があるため増えている。定塩や切り身の他、刺身にも用いられ、フィレーでの搬入もある。チリの貿易統計によると、同国の対日ギンフィレー輸出量は増加傾向だ。2022年は前年比38%増の2・2万トンだった。

 マルハニチロのホームページ「サーモンミュージアム」によると、チリのサケ・マス養殖は1985年以降、同国企業やサケ養殖で実績があるノルウェーなど外国企業が参入。養殖地も南方に広がり、魚種もギンザケの他、アトランティックサーモンやニジマス(トラウトサーモン)など複数のサケ・マスが養殖され、今日に至った。

 国連食糧農業機関(FAO)がまとめるチリギンの養殖生産量は85年の500トンから増え、2001年に10万トンを超えた。19年以降は20万トンを上回る。同国が発表した22年生産量は前年比13%増の24万トン。23年8月の道ぎょれん会秋季取引懇談会で報告した商社によると、現地で近年、海洋環境の変化や病害リスクを受けアトランティックサーモンではなく、ギンザケを増産する動きがあった。

みなと新聞本紙2023年12月5日付の記事を掲載