見出し画像

【無料】基礎から分かる水産用語<131> つみれとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


つみれとは

 主に調理した魚のすり身を団子状にして摘み取りながら湯やだし汁の中で加熱し固めたゆでかまぼこの一種。濃厚な魚のうまみが特長で、鍋物やおでんなどの煮込み料理やみそ汁などのわん種に使われる。

 日本かまぼこ協会などによると、すり身を手やスプーンなどで摘み取りながら湯に入れて作るため、「つみ入れ」から転じてつみれと呼ばれるようになったとされる。江戸時代にはすでに練った魚肉を湯の中で固めるつみれに似たねり物が作られていた。

 イワシを使ったつみれが最も普及しており、アジやサバ、サンマなど赤身魚を原料にしたものが多いが、地域によっては白身魚を原料にしたつみれも生産される。おでんでよく使われる食材で、特に関東以北で人気のタネとなっている。

 熱の通りをよくするため中央をくぼませて成形するのが一般的。へこみのない団子状のものもつみれと呼ぶことや単に団子と呼んで区別するケースもある。

 つみれとよく似た食品としてつくねが挙げられる。異なる点は、魚のすり身と鶏や豚のひき肉の具材の違いではなく製造工程の違い。手でこねて丸く作る「つくねる」が語源とされるつくねは、すり身やひき肉を好みの大きさに丸めて加熱したものを呼ぶ。

みなと新聞本紙2023年7月14日付の記事を掲載