【無料】基礎から分かる水産用語<16> 市場外流通とは
市場外流通とは
生鮮食品や加工食品などを卸売市場を通さないで小売業者や消費者に流通させること。生産者や加工業者による電子商取引(EC)や直売所での販売、小売業者や飲食店による産直などが当たる。
生鮮品の市場外流通のメリットとして、流通段階でかかる手数料などをカットできる、生産者がある程度自分で価格を決められる、流通ルートに乗りにくい未利用魚を販売できる―などがある。
一方で、出荷に関連した、生産者が行う仕事が増える、市場での集荷をしないため安定した供給が難しくなる、鮮度の維持が市場流通より難しい場合もある―などといったデメリットもある。
食品が市場を通して流通した割合を市場経由率という。農水省によると、水産物の消費地卸売市場経由率は1989(平成元)年には75%だったが、2016年は52%に低下している。野菜などを含む青果物は同時期に6割、国産のみでは8割を超えている。
市場外流通として近年盛んなのが生産者の直売所での販売だ。登録した生産者らが鮮魚や加工品を消費者に直接販売する施設で、道の駅などに併設されることもある。水産庁の担当者は「直売所やECといった市場外流通での販売量は右肩上がりで増加しており、今後もこの傾向は続いていくと思われる」と説明する。