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【無料】基礎から分かる水産用語<122> EDLPとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。

みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

EDLPとは

 あらゆる商品を常に低価格で提供する販売方針を指す。Everyday Low Price(エブリデー・ロー・プライス=毎日低価格)を略した表現。特売商品を一定期間に限り安く売るハイ&ロー政策とは考え方が異なる。

 EDLP戦略の導入は消費者へ常に「ここの店は安く商品を提供している」という印象を与えることができる。競合店舗との差別化を図ることができ、自店で買い物を完結させることで買い上げ点数が増え、顧客の囲い込みを期待できる。ハイ&ロー政策の場合は消費者の注目を集めやすく、即効性のある販売施策を打つことができる。

 事業者にとってEDLP戦略は、広告費の削減や売り場づくりや値付け作業の平準化などのメリットがある。売れ方も一定になるので在庫管理もしやくす、サプライチェーン全体で効率化を図ることができる。一方、EDLP戦略の導入には流通コストを引き下げるシステムの構築など、ローコスト経営のための投資が必要になる。

 EDLPの考え方は、世界最大の小売企業である米・ウォルマートが定着させた。国内では「高品質・Everyday Low Price」がコンセプトのスーパーのオーケーや、ドラッグストアのコスモス薬品などに代表される。

みなと新聞本紙2023年6月13日付の記事を掲載