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【無料】基礎から分かる水産用語<186> ドミナント戦略とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


ドミナント戦略とは

 特定の地域に出店を集中させ、そのエリアでの商圏シェアを独占し、優位性を打ち出す戦略のこと。集中出店で同業他社より優位に立てるとともに、企業ブランドの認知度向上にもつながる。

 小売企業や外食企業が限られた経営資源を有効活用する上で、ドミナントエリアの形成は欠かせない。ドミナント(dominant)には「支配的」という意味があり、多店舗展開による特定のエリア、商圏の独占=支配は、店舗運営の効率化などにつながる。

 ドミナント戦略に基づいた出店は、エリアマーケティングの最適化にもつながる。当該エリアの世帯構成や年齢層、生活行動などの特性を深く理解することで、地域のニーズに合った販売戦略を組み立てられる。また、多店舗展開による商圏の確立は配送などのコスト低減につながる他、同業他社の参入防止が期待できる。一方で特定エリアへの集中出店は、地域環境の変化に弱いなどのデメリットも挙げられる。

 都市型小型食品スーパーのまいばすけっと(横浜市)は、東京と神奈川に集中出店ドミナント戦略を打ち出している。1店舗の商圏は徒歩3分に限定し住宅街やビジネス街、マンションの1階部分などに出店。2023年2月末時点では1055店舗を展開する。都市部の生活を支える「コンビニキラー」として存在感を発揮している。

みなと新聞本紙2024年2月16日付の記事を掲載