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【無料】基礎から分かる水産用語<50> インストア加工とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

インストア加工とは

 販売する店舗内で食品を加工、包装する方式のこと。スーパーマーケットなどでは主に鮮魚や精肉、惣菜で取り入れている。より鮮度の良い商品や出来たての商品を迅速に店内に陳列できるメリットがある。

 スーパーでは水産コーナーのバックヤードで刺身や切り身に加工。来店客の要望に合わせた鮮魚の加工も担う。店舗ごとの状況に合わせた商品作りや欠品にも対応しやすいなどの利点もある。人員コストがかかる点などがデメリットに挙がる。

 一方、拠点施設で集中的に加工や包装を行い各店舗に配送するのがセンター加工方式。食品・スーパー業界における施設は「プロセスセンター」を指す場合が多い。近年は人手不足や効率化などからセンター加工を活用する企業の比重が年々高くなっている。

 生鮮強化のためにインストア加工に力を入れる企業もある。食品スーパーを展開するヤマナカ(名古屋市)は昨年から、大規模改装する店舗を生鮮強化型店として5店舗リニューアル。水産のインストア加工の強化や転換を図り、店内加工の干物を扱う店舗もある。「鮮度の良い商品を提供し、鮮度を実感してもらえる店舗づくりで好評だ」と水産担当者。今後も生鮮強化型店を増やす方針という。

みなと新聞本紙2022年9月13日付の記事を掲載