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【無料】基礎から分かる水産用語<110> 代替魚とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

代替魚とは

 魚以外の材料で魚肉を模した食品。大豆や小麦をはじめ、海藻や菌類なども使い、メーカー各社が味や食感の再現に力を入れる。かつてはシシャモに代わるカラフトシシャモ(カペリン)、ウナギに対する「近大ナマズ」など、不漁や高価格を理由に特定の魚を代替する他の魚種を指した。近年は魚を模した食品を呼ぶことが多い。水産資源保護意識の高まりやビーガン(完全菜食主義者)人口の増加に伴って成長中の分野だ。

 「たこわさ」の発祥として知られる水産加工会社あづまフーズ(三重県菰野町)の「まるで魚」シリーズは、コンニャク粉を原料に刺身のサクを模すなど、見た目も鮮魚に近付けた。マグロやサーモンの刺身にみられる白い筋について再現方法を聞いたところ、「かなり特殊な技術のため、企業秘密」と担当者は説明する。

 一方、別の魚による特定魚種への代替は「代用魚」と呼ぶことが多くなっている。2003年のJAS法(日本農林規格等に関する法律)改正で、本来の魚種名と原産地の表示が義務付けられた。偽れば「偽装魚」になる。

 主な原料にスケソウダラを使用するカニ風味かまぼこはこちらの代用魚に当てはまるが、あづまフーズが9月に発売を予定している「まるでカニカマ」はエンドウ豆のタンパク質が原料。いわば「代用魚の代替魚」といえる。

みなと新聞本紙2023年4月28日付の記事を掲載