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【無料】基礎から分かる水産用語<177> ナメタガレイとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


ナメタガレイとは

 主に関東以北の沿岸地域で親しまれる大型のカレイ。雌と比べて魚体が小さい雄でも、旬の冬場には1尾600グラムほどとマガレイの倍近いサイズになる。体の表面が粘液で覆われており、ぬめりが多い(滑多)ことからその名が付いた。標準和名は「ババガレイ」。

 東北では子孫繁栄や豊漁を願う“年取り魚”で知られ、年末に欠かせない縁起物。特に卵を持つ雌の需要は高く、雄より高い値を付ける。家庭では煮付けにして食べられることが多い。

 仙台市中央卸売市場には例年、北海道産品が主力で入荷。11月上旬から年末にかけてまとまるのが定番だが、近年はしけが多かったり他魚種狙いの漁が優先されたりすることから、入荷本格化のスタートが後ろ倒しになりつつある。量販店向けは1尾1キロ前後、業務筋向けは1・5キロアップの需要が高い。

 2023年12月の同市場入荷量は前年同月比2割減の約70トン。雌が全体の9割ほどを占めた。平均単価は月前半にキロ1800~1600円、後半に2000~1800円と前年同月並みで推移した。

 もともと高級魚であることに加え、最需要期の年末が近づくとさらに価格が上がるため、市場関係者は「早めに買って煮付けておき、暮れまで冷凍保存しておくのがおすすめ」と話す。

みなと新聞本紙2024年1月16日付の記事を掲載