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【無料】基礎から分かる水産用語<114> ローリングストックとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です

ローリングストックとは

 保存食や日持ちする加工品を日常食として消費しながら備蓄する消費行動を指す。備蓄する食品の賞味期限や鮮度を一定で保ちつつ、災害時には日常に近い食生活を送ることができる。

 備蓄した食品を賞味期限の古いものから定期的に消費し、食べた分だけ買い足していく。賞味期限が過ぎがちな備蓄食品のロスを減らすことができ、災害時の食べ方のシミュレーションにもつながる。

 農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」では、普段の買い物の範囲内の費用で用意できること、一定の消費サイクルで買い置きのスペースを多く取る必要がないことなどをメリットとして挙げている。定期的な消費を前提としているため、非常食より賞味期限の短い日常食品を備蓄食品として利用することができる。

 代表的な備蓄食品は缶詰やレトルト食品。不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維を補うために日持ちする野菜類や乾物、ドライフルーツなども最適という。

 水産品では極洋(東京都港区)の「いわし味付 ゆず風味」が防災安全協会が主催する「災害食大賞2022」の缶詰部門で最優秀賞を受賞。近年はねりメーカーの一正蒲鉾(新潟市)やスギヨ(石川県七尾市)が、常温で長期間保存可能なねり製品を発売している。

みなと新聞本紙2023年5月16日付の記事を掲載