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【無料】基礎から分かる水産用語<127> 魚病とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

魚病とは

 魚がかかる病気。養殖魚のへい死や変形による商品価値の低下などを引き起こす。原因はウイルスと細菌、真菌(カビの仲間)、寄生虫に大きく分けられるという。

 農林水産省によると、2020年は魚病による被害額は約111億円(推定値)に上った。被害額算出の対象になる魚種について、同省の漁業産出額統計から計算した20年生産額は合計3147億3700万円。生産額に対する被害額の規模は3・5%だった。

 生産額の大きいブリ類は被害額も最も大きく、20年は生産額の3・8%に当たる40億7400万円の被害があった。フグ類は生産額に対する被害額の規模が大きく、21・4%に当たる15億5300万円に及んだ。クルマエビやヒラメも生産額に対し1割を超える水準の被害額だった。

 農水省の担当者は生産額に対する被害額の規模について「目標値は特にない」とした上で「低い方が良いのは確かだ」と指摘。全体的に「ここ10年ぐらいは3%の水準で推移している」と話す。

 農水省は19年から魚病対策促進協議会(座長・広野育生東京海洋大教授)を開き、学者らの議論を踏まえながら、遠隔診療体制の整備や防疫対策のモデル構築などを進めている。同省のホームページ(https://www.maff.go.jp/j/syouan/suisan/suisan_yobo/attach/pdf/index-10.pdf)には遠隔診療を依頼する際のポイントをまとめた「遠隔診療の手引き」を公開している。

みなと新聞本紙2023年6月30日付の記事を掲載