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【無料】基礎から分かる水産用語<71> タラバガニとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

タラバガニとは

 タラバガニ属の「カニ」。ヤドカリの仲間。輸入する主要カニ種の中で最高級。漢字で「鱈場蟹」と書く通り、タラの生息域で漁獲されたためその名が付いた。商社によると、アブラガニと見た目が似ているが、タラバは甲羅中心部付近のとげの本数が基本的には6本(アブラは基本的には4本)ある点や脚裏の色素がある(アブラはほとんど色素がない)点から見分けることができる。

 英語ではレッドキングクラブと呼ぶが、米国ではキングクラブ類としてアブラガニと同類として扱われることも。タラバを漁獲している国は限られており、現在はロシアとノルウェーでほぼ全量を占める。米国も主要海域のブリストル湾で漁獲されているが、昨年と今年は禁漁となった。

 国連食糧農業機関(FAO)の統計によると、2020年のキングクラブ類(アブラやイバラガニ、ミナミタラバなども含む)の漁獲量は前年比4%減の5万1332トン。日本は03年以降、同項目での計上はない。

 タラバのみに絞ると、最大漁場であるロシアの20年の漁獲量は2%増の2万6800トンで、うちバレンツ海が10%増の1万907トンと増加した。ロシア極東は2%減の1万5893トンだった。ノルウェーは21%増の2081トンだった。米国はキングクラブ類としての計上となっており、タラバ単独での数量の記載はない。

みなと新聞本紙2022年11月29日付の記事を掲載