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【無料】基礎から分かる水産用語<83> CIFとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

CIFとは

 運賃・保険料込みの貿易条件。売り手が輸出通関後に荷物を船へ積むまでの費用(FOB=本船渡し条件)に加え、海上輸送や輸送保険といった輸入港までの費用をすべて負担する。

 CIFは国際貿易の円滑化に取り組む国際商業会議所(ICC)が制定した貿易取引条件とその解釈に関する国際規則「インコタームズ」に含まれる。海上および内陸水路運送のための規則として掲載。同規則は各国の貿易業者の慣行や法解釈が異なったことから、ICCが共通の規則およびガイドラインとして1936年に発行し、当時もCIFを含んでいた。

 貿易条件をアルファベット3文字で表現している。CIFは英語のコスト、インシュランス(保険料)&フレート(運賃)の頭文字からなる。

 日本の財務省貿易統計における輸入価格はCIF価格で計上している。1000円未満を切り捨てし、外国通貨建ては税関長が公示する外国為替相場で換算する。関税額などは含まない。2022年1~11月の魚介類および同調製品の輸入額は前年同期比3割増の1兆7396億円に上る。

 貿易統計の輸出価格はFOB価格で算出する。CIF価格から海上輸送と輸送保険の費用を除くとFOB価格になる。FOBも36年当時からインコタームズに記載。

みなと新聞本紙2023年1月20日付の記事を掲載