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【無料】基礎から分かる水産用語<179> 水福連携とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


水福連携とは

 障がい者が水産業に従事する取り組み、すなわち「水」産業と「福」祉が連携する取り組み。水福連携の事例には障がい者が三重県鳥羽市でカキ養殖コレクターを組み立てた事例や、神奈川県葉山町でのヒジキのごみ取り作業に従事した事例などがある。

 神奈川県は水福連携により、水産業の担い手不足対策や障がい者などの就労・雇用の確保、福祉人材が活躍できる仕組みの成立による地域活性化を図る。同県は障がい者の他、高齢者や若年性認知症の患者、引きこもりや生活保護受給者など生活困窮者も「福祉人材」と定義している。

 本紙の取材に対し、同県で水福連携を推進している藤沢市民活動推進機構の手塚明美理事長は「仕組みを作れば(福祉人材も)作業ができる。理解を深めれば日本の水産業をもり立てる一助になる」と話した。厚生労働省委託事業による「障害者就労における林業・水産業等と福祉との連携におけるガイドブック」では水福連携について、船作業以降の「陸上養殖」や「陸作業」は食品加工とほぼ同等であり、障がい者が水産業に「関われる部分は多い」とする。

 岩手県は水福連携マッチングマニュアルを公開している。今後、障がい者の就労を受け入れる際に活用できる物として、障がい者就労の主なパターンや特性、事例、Q&Aなどを記載している。

みなと新聞本紙2024年1月23日付の記事を掲載