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【無料】基礎から分かる水産用語<31> MSYとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

MSYとは

 一定の漁獲圧(漁獲の強さ)で漁獲し続けた場合に、長期的に得られる漁獲量が最大となるときの年間漁獲量。水産資源は漁獲で減少すると回復しようとする性質があり、その減少から回復する割合が最大となる際の漁獲量ともいえる。資源管理で目指すべき資源水準の指標として用いられている。

 最大持続生産量(MSY)は水産研究・教育機構や都道府県の水産試験研究機関などが資源評価で算定する。2021年度水産白書によると、21年度時点でMSYベースの資源評価は17魚種で実施された。

 20年12月に施行した改正漁業法では漁獲可能量(TAC)管理をする資源は資源評価に基づきMSYを達成する資源水準の値(目標管理基準値)などの目標を設定。資源評価ではMSYを達成する水準と比べた際の漁獲圧や資源量の状態について過去から現在までの推移を図示した「神戸チャート」が用いられている。

 現在、国は資源評価対象魚種を拡大させ、漁業者による自主的な資源管理からMSYに基づくTAC管理の移行を推進。同TAC管理には既にサンマやマアジ、マイワシなど8魚種が移行した。

 水産庁は「ICT(情報通信技術)を活用することでこれまで以上の頻度での報告や漁獲量の迅速な把握ができ、MSYでは海洋環境も含めた検討が可能となっている」と説明する。

みなと新聞本紙2022年7月5日付の記事を掲載