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【無料】基礎から分かる水産用語<15> 仲卸・仲買業者とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

仲卸・仲買業者とは

 卸売市場内でセリや相対売りによって卸売業者らから商品を仕入れ、小分けにして小売業者や飲食店などの買出人に販売する業者。仲卸業者と仲買業者は同義。市場内の卸売業者以外にも漁港や他の市場から仕入れることもある。仲卸業を営むには市場開設者の許可が必要となる。農水省食品流通課は仲卸の役割について「小分けによりきめ細かい販売ができ、プロの目利きを通して品質や価格が決まるため、食材の公正な価格形成に寄与している」とする。

 同課によると、2019年度末における仲卸業者数は中央卸売市場が2884者(18年度は2957者)、地方卸売市場が2321者(同2556者)といずれも減少。中央卸売市場のうち水産物を扱う仲卸業者数も1512者(同1550者)に減った。

 19年度における仲卸の仕入れ先別の金額割合は卸売業者が78%(18年度は79・9%)と、卸売業者からの割合が減少。販売先別金額割合は大規模小売店(集団給食事業者なども含む)が52・9%と最も多かった。

 中央卸売市場の仲卸業者のうち、19年度に経常損失を計上したのは水産物を扱う業者が43・9%と、青果の36%や食肉の30・3%、花きの34・8%よりも割合が高かった。同課は「水産物の消費量が減少し、仕入れ値も高くなったことが影響したのでは」とみる。

みなと新聞本紙2022年5月10日付の記事を掲載