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【無料】基礎から分かる水産用語<209> みやぎサーモンとは

みなと新聞で毎週火曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


みやぎサーモンとは

 宮城県内で生産される養殖ギンザケのうち、水揚げ時に高鮮度処理を施した個体のみが冠する最高級ブランド。県漁協らでつくる「みやぎ銀ざけ振興協議会」が定める。刺身をはじめとした生食向けに引き合いが強く、定塩といった加熱加工用にも使いやすい。身に艶とハリがあり、適度な脂のりと甘みが魅力。2023年期出荷量は3000トン。

 宮城県はギンザケ養殖発祥の地で、長年培ってきた経験を生かし、全国生産量の約8割を支える一大産地。生産者や飼料メーカー、商社、市場関係者らが安心・安全で高品質のギンザケを消費者に届けるべく研さんを重ねている。出荷シーズンは3~7月。

 みやぎサーモンの特徴の一つが活締め(脱血処置)を徹底し、高鮮度を維持すること。生産者によると、酸欠で処理する野締めより色落ちや身割れなど品質劣化を抑える効果があるという。

 さらに水揚げから加工まで全ての工程を県内で行うこと、配合飼料を活用して魚の臭みを抑えること―など諸条件を設定しており「国産」「チルド出荷可能」という強みを有する。セールス時にはPRポイントとして活用される。

 県を代表する水産物の一つであり、地域との結び付きの強さから17年5月、宮城県産品として初めて、名称を知的財産として保護する地理的表示(GI)保護制度に登録された。

みなと新聞本紙2024年6月18日付の記事を掲載