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【無料】基礎から分かる水産用語<74> 庫腹とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

庫腹とは

 倉庫の荷物を保管できるスペースのこと。「所管容積」ともいう。

 冷蔵倉庫の設備能力を表す設備トンは庫腹(所管容積)×0・4(2・5立方メートル=1トン)により求める。単位容積当たりの重量は、戦前に以西トロール漁業で使用していた木製の中トロ箱に魚を入れた時の換算率であり、慣習として現在もこの換算率を活用する。

 日本冷蔵倉庫協会は主要12都市での毎月の庫腹利用状況について統計を集計、発表している。庫腹占有率は収容可能なスペース(庫腹)に対する貨物の埋まり具合を示している。同協会の経験から得られた品目ごとの想定比重を用いて仮定に基づき試算をした数字であり、庫腹状況の目安として使う。

 同協会の西願広行副会長は2022年12月の記者会見で庫腹が全国的に満庫に近い状態と指摘した。「庫腹を増やす努力をしているが、大都市圏で用地が足りない」と説明。「入札があってもかなり高く落札する動きもあり、冷蔵倉庫業者に用地がなかなか回ってこないのが実態」と話す。

 冷蔵倉庫の温度帯はF級とC級がある。F級は、F1級がマイナス20~同30度▽F2級がマイナス30~同40度▽F3級がマイナス40~同50度▽F4級がマイナス50度以下で超低温を指す。C級は、C1級がマイナス10~同20度▽C2級がマイナス2~同10度▽C3級が10度~マイナス2度。

みなと新聞本紙2022年12月9日付の記事を掲載