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【ショパンコンクール2021】アレクサンダー・ガジェヴさんの演奏を聴いて

ショパン国際ピアノコンクール、ファイナルステージ二日目。

今日の楽しみであった、アレクサンダー・ガジェヴさん(イタリア/スロベニア)の演奏を聴きました。

日本時間の深夜2時頃からの演奏だったので、仮眠を挟んでリアルタイムで視聴。

演奏曲は、ショパン「ピアノ協奏曲 第二番」。

演奏するピアノは、なんと、カワイ(KAWAI)です!ファイナルで日本のピアノが出てくると、一層うれしい☺️

ショパンコンクール ファイナルステージは、ピアノとオーケストラの競演も見どころの一つ。

「ピアノ協奏曲 第二番」は、反田恭平さんや多くのコンテスタントが演奏する「ピアノ協奏曲 第一番」に比べて、演奏時間が短く、今までのコンクールでは「第一番」を弾いた方が多く優勝しているようです。

どちらかと言えば、「第一番」の方が派手でドラマティックな印象(個人的に)。

「第二番」をどう弾くの?カワイのピアノで柔らかく繊細に表現するの?大人でアンニュイなショパンを弾くの?と、始まる前からドキドキしていました。

実は、私は聴く機会が少なかった「ピアノ協奏曲 第二番」。あまり曲のイメージが記憶に残っていませんでした。

しかし、ガジェヴさんの演奏が始まると……、

すぐにその世界にぐっと引き込まれました!!

第一楽章は、ロマンティックかつドラマティックな旋律。

「第一番」と大きく印象が異なるのは、まるで物語が語られるような、ファンタジーのような、おとぎ話を読んでいるような、そんな気持ちになるからでしょうか。

「第一番」が、NHKの大河ドラマや、山崎豊子さん原作の大型ドラマだとしたら、

ガジェヴさんの弾く「第二番」は、TBS夜九時枠の「日曜劇場」。

ショパンを日本のドラマに例えるなんて、なんのこっちゃですが、そう、こちらは(オーケストラとの)台詞の掛け合いを楽しむ物語みたい(素人の戯言です(笑))。

ガジェヴさんの音の響きは何なんだろうと思いながら聴いていると、彼の「心の歌」なのだと思えてきました。

第二楽章は、「第一番」と同じく、こちらも恋の歌のイメージ。

誰かを愛する思いを描きながら、心の機微を表現する。本当に難しいことだと思います。

フレッシュで元気な若者の思いでもなく、情熱的でストレートな思いもない。「ああ、この思いをどんな言葉で表せば良いのだろう。手紙に書けない思いをピアノに込めるよ」。そんな風に優しく相手を想い、思い出を回想し、愛しい人に語りかける様な、ガジェヴさんの音からは、そんな「心の歌」が聴こえました(カワイピアノの音も最高に合ってる!)。

そして、第三楽章。

こちらも「第一番」と同じく、民族舞踊・ダンスを彷彿とさせます。

しかし、楽しい、嬉しい、幸せ♪というダンスではなく、クライマックスに向けて数奇な運命に踊らされていく様なイメージを抱きます。

物語のクライマックスには、どんでん返しが待っているもの。このスケールの大きな物語の運命やいかに──!?

ここでは私の中の結末は語らず、

ぜひ、それぞれの物語の結末をイメージしてみてください☺️

🌟ファイナルステージ(二日目)のリンクは、こちらから。













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