💊ダイエット漢方

最初に…

ダイエットで紹介される代表的な漢方には、当帰芍薬散、防風通聖散、大柴胡湯、防已黄耆湯などがある。

その前にこれは覚えておけ。

体が弱い方は虚証
丈夫な方は実証
●実証→体力が充実
●虚実→体力中等度
●虚証→体力虚弱
●虚実に関わらない→体力に関わらない

ではさっそく、これらの使い分けとざっくりした解説をしていこう。

解説

●当帰芍薬散

当帰芍薬散

当帰芍薬散が紹介される理由。
そもそも当帰芍薬散は婦人漢方として幅広く活用されてるよね。
体力虚弱（虚証）かつ、月経異常や冷え症、貧血などに悩む人へっていう漢方。
貧血、つまり血虚（血液量が足りない）向き。だから当帰芍薬散は血を補う漢方だとわかる。水分代謝を改善することにより、むくみや冷えも改善するよね。
ダイエットの理屈に当てはめてみよう。
『体に栄養が足りない（体力虚弱）→熱や水分を体の隅々まで巡らすことができない→体が冷える→水分代謝が低下→むくむ（体重増加）→むくみにより余分な水が血管を圧迫→血行が悪くなる』
当帰芍薬散は水分代謝を改善し、むくみと冷えを改善。
つまり、キーワードはむくみと冷え。痩せる、ダイエット…というより栄養補給、血行促進して体調を整える漢方である。
※無論、水は減っても脂肪なんて減らない

●防風通聖散

防風通聖散

ダイエットで有名な漢方の防風通聖散。ぽっちゃりした食べ過ぎタイプの人が脂肪を落とす漢方で、暴飲暴食してしまう体力が充実している「実証」タイプ向き。防風通聖散は食欲が旺盛な人の胃を冷やして鎮めるイメージだ。
※下痢は基本的には、虚証になるため、下痢気味の人は向いてない。（実証タイプはエネルギーをためてしまう便秘気味）
雑に言えば、元気で体が強い食欲旺盛なデブ向き。
胃熱を改善し、胃の過剰な動きを鎮め、過食を抑え、老廃物を出す。
便秘向きといったが、ダイオウが配合されているため、便秘は一気に解決されることも多い。ただ、お腹が緩くなることも多いため、初めて防風通聖散を飲む人や便秘傾向がそこまで強くない人は満量処方ではなく、2/3処方にしよう。確かに満量処方の方が基本的に効果が高いが、一概にすべての人に満量処方が良いとは言えない点に注意。キーワードは食欲旺盛。

●大柴胡湯

大柴胡湯

さっきの防風通聖散との共通点：便秘向きかつ、食欲旺盛な人に向く

その使い分けは？
防風通聖散は単純に食欲を抑える。大柴胡湯はストレス、イライラによる過食を抑える（滞っていた気の流れを開通させ、精神安定させる）
単純に大食いなら防風通聖散だが、ストレスにより食欲が左右されるなら大柴胡湯。ストレスがおさまったら防風通聖散に切り替えてもOK。キーワードはストレス。

●防己黄耆湯

防己黄耆湯

便秘に向く防風通聖散や大柴胡湯とは異なり、防已黄耆湯は軟便、下痢気味の人に向く。
そして、「虚証」の人の肥満症に用いられる。

※下痢は基本的には虚証になるため、虚証向きの防己黄耆湯は下痢気味の人に向く。

（反対に、実証タイプはエネルギーをためてしまうから便秘気味だ。）←さっき、防風通聖散で記載した知識につながるよね。

更に注意してほしいのは防已黄耆湯は食欲が普通か、食欲があまりない人向きってこと。食べ物をきちんと消化し、胃腸を元気にし、むくみを改善。防已黄耆湯は防風通聖散と混同されがちだが、食欲旺盛な元気な人向きの防風通聖散とは全く異なるタイプだぜ。むしろ、当帰芍薬散の方が近いかも。キーワードは水太り。

ちなみに

コッコアポダイエット漢方シリーズ＋当帰芍薬散

〇コッコアポEX→防風通聖散
〇コッコアポG→大柴胡湯
〇コッコアポL→ 防已黄耆湯
〇コッコアポ青色→当帰芍薬散

客にコッコアポ飲んでるって言われても何のコッコアポかを確認する必要があるよね

まとめ

●当帰芍薬散：ダイエットというより、むくみと冷えが気になる人に
●防風通聖散：便秘気味に向く、食欲旺盛、元気な人に
●大柴胡湯：便秘気味に向く、ストレスで過食してしまう人に
●防已黄耆湯：軟便、下痢気味に向く、むくみが気になる人に

番外編

扁鵲
処方名：九味半夏湯加減方
九味半夏湯(石崎朴庵立方)を基本にし茯苓、陳皮を去って桂枝、芍薬、牡丹皮、大黄を加えたもの
防風通聖散との違いは、脂肪太り、水太りの両方の体質に良いということ
中等度以上の体力を持つ人に向いている。

効能・効果は脂肪過多症のみ

以上、ダイエット漢方でした。