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20年続く友人関係とはどんなものか

高校時代の友人たちとオンライン茶話会をした。彼女たちとはもうだいぶ長い付き合いになるなと思い数えてみたら、もう20年ほどになる。20年って凄い。

私はどちらかといえば人付き合いが苦手なタイプで、どんな関係性の人に対しても「これは迷惑ではないだろうか」「相手に気を使わせてしまっているのではないか」といろいろ考え込んでしまう。
淋しがりやなくせに、独りの時間が絶対的に必要で、この感覚をなかなか人に伝えられずにいる。

まぁ、それでも40年近く生きているので、自分のそんな性質とも折り合いをつけながら日々暮らしている。

そんな私に高校時代から縁が続いている友人グループがあるというのは、なかなか不思議な話かもしれない。
女性の20代、30代というのは本当にいろいろなことがある。
進学、就職、転職、引越し、結婚、離婚、妊娠・出産、家族の問題etc...とにかく「疎遠になるきっかけ」が山程あるのだ。

それでも縁が続いているのは、良い意味でそれぞれが自分の世界を持ち、この友人関係に依存していないということが大きいように思う。仲が良いのは素敵なことだけれど、依存的な友人関係は長くは続かない。

また、ほぼ全員が思慮深く、相手の立場を思いやることができるからというのも大きいのだろう。
繰り返しになるけれど、女性の20代、30代というのは本当にいろいろなことが起こる。誰かに助けを求めたいこともあるだろうし、逆に、誰にも知られたくない・触れられたくないということの1つや2つあっておかしくない。そんなときの距離のとり方、寄り添い方が心地良い人が多いのだ。

とは言え、これらは縁が続く大きな要因であっても、決定的な要因ではない。この縁が続いている決定的な要因は、Mの存在だ。

先程、「ほぼ全員が思慮深く、相手の立場を思いやることができる」と意味深な書き方をしたけれど、Mはこの中に入らないのだ。
彼女は誰からも愛されるキャラではあったものの、天然というか、空気を読むのが苦手なところがあった。
(すると当然私のような空気を読みすぎて疲れるタイプとは相容れない部分が多いはずだったのだけれど、さっぱりとした性格のMに対しては「M〜、その言い方はないわぁ。そういう問題じゃないのよ。」などと伝えることができていたため、一緒にいるストレスは少なかった。)

そんな「空気を読まない」Mは、それぞれの事情に関係なく、何かに付けて私達に声をかけ続けてくれた。

高校卒業後、友人の大半は地元に残るか、都心の大学に進学するかのどちらかで、私のように「地方で一人暮らし」するのは稀だった。それに加えて、大学卒業後は予備校講師という、一般の社会人とは生活スタイルが180度異なる仕事に就いてしまったため、誘いを断ることも増えていった。転職活動中で無職だった時期もあり、皆と会うのが辛いなと感じてしまう時期もあって、微妙に皆との距離を取ろうとしていたときもあった。

これは私のケースだけれど、皆それぞれの事情を抱えていたはずで、Mだってそれは例外ではないはずだ。

それでもMは「空気を読まず」皆に声をかけてくれた。皆がいつでも戻ってこられる場所をずっと守ってくれていたのがMだった。今思うとあえて道化的な立ち居振る舞いをしてくれていた部分もあるのかもしれない。

・・・褒めすぎた。

そんなMだったけれど、第一子妊娠・出産をきっかけに、流石に彼女自ら皆に声をかけることが少なくなった。
当時の私は何回かの転職をし、「カレンダー通りの仕事」に身体が慣れてきて、生活が落ち着いてきた頃だった。

自然と「あぁ、これは私の番だな」と思った。

と言っても大したことはしていないのだけれど、ふとした時に自分発信で連絡を取るようになったのは確かだ。

そんなこんなで冒頭のオンライン茶話会になるのだけれど、これも企画・発信したのは私である。
本来そういうことができるタイプではないのだけれど、このグループに限ってはできる。
それは「皆レスが早く、ストレスがない」ということによる部分が大きいのだけれど、その裏にある「企画してくれてありがとう!いつも乗っかるばかりでごめんね!私、言い出しっぺ苦手だから声かけてくれるの本当に嬉しいんだよ。」という気持ちが伝わってくることが大きい。

本当に私には過ぎた友人たちだと思う。

彼女たちとの縁は、きっと一生続いていくのだと思う。
全員が全員、全てをさらけ出せるわけではないし、グループの中の親密度の差だって当然ある。
高校時代からの友人と言っても、その関係は細く、長く、ゆるやかだ。物足りないと思うこともあるかもしれない。

でも、それで十分だと思っている。



追記
「オンライン飲み会だかお茶会だかをしないか」と誘ったとき、Mから返ってきたのは「私オンライン飲み会したことないんだけど大丈夫?」という言葉だった。(それに対して私は「大丈夫だ。私も生涯で2度しかやったことはない。」と答えた。)
他のメンバーも、「LINEミーティングって何?」「LINEはあるけど、できるのかわからん」というレベルだった。
意外と皆そんなものなので、迷っている人はまずやってみるといいと思う。


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