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3/25週SaaS資金調達ニュースまとめ

3/25週のSaaSスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお伝えします。
今週は、行政向け決済サービスPayItやミドルマーケット向けB2B売掛金自動決済のMineralTreeのB2B×FinTech、およびIoTセキュリティのCyberXやドローンのデータ解析のKespryの様なIoT×SaaSの調達が目立った。

また、私が所属するセールスフォース・ベンチャーズからも、インダストリー・クラウドの雄 VlocityやKespryへの戦略投資も行いました。

1.行政のモバイル決済FinTech×SaaS PayIt:Series B 100億円+調達

PayItは、2013年アメリカ・カンザスシティ発の国・行政サービスのモバイル決済プラットフォームを提供するGovTech SaaS企業。市民は税金のみならず、出生届や婚姻届、自動車の登録等、様々な支払いや書類のオンライン申請/書類受取、及び履歴確認ができる上、モバイルチャットで相談することも可能。これら全てをモバイル上でワンストップで完結できる。行政の電子決済系ソリューションは、Visaの様な伝統的な決済プレイヤーのみならず、Stripe、Paypal、Aliant等の新興プレイヤーも群雄割拠する競合の多い市場である一方、市場規模200兆円といわれる超巨大市場。

今回のシリーズBでは、Insight Partnersがリードで100億円超調達。
リンク:TechCrunch記事PayItサイト

2.5つの巨大産業向けバーティカルCRM×SaaSの雄 Vlocity:Series C 60億円調達

Vlocityは、2014年カリフォルニア創業のインダストリー特化型CRM SaaS企業。1)メディア&通信、2)電気・ガス、3)保険・金融、4)ヘルスケア、5)政府&NPOの五つの産業のエンタープライズに特化してSaaSを提供している。VlocityのCRMは、Salesforceプラットフォーム上で開発されている。創業メンバーは、OracleやSiebel System元役員のDavid Schmaier氏の他、時価総額2兆円のバーティカルSaaS上場企業であるVeevaの創業メンバー数人で構成されている。Veevaがライフサイエンス特化であるのに対して、上記の五産業は市場規模の合計はVeevaの10倍に相当することから、時価総額10兆円は目指せると豪語している。既に150社のエンタープライズの導入、ARR 100億円を達成しており、2019年中にARR 200億円は到達する見込み。

今回のシリーズCでは、Shutter Hills Venturesがリードで、既存投資家であるSalesforce Ventures、Bessemer Venture Partnersも参加し、計60億円を調達。
リンク:TechCrunch記事Vlocityサイト

3. ボストン発!買掛金の自動決済FinTech×SaaS MineralTree:Series C 50億円調達 

MineralTreeは、2010年アメリカ・ボストンに創業した、売上5~500億円規模のミドル(中規模企業)向けに買掛金(Accounts Payable)の決済を自動化させるFinTech×SaaS企業。直近1年の売上は、15社の販売パートナーとの連携の効果もあり、年+80%成長を達成し、既にMineralTree上での決済総額は5,000億円を突破した。

今回のシリーズCでは、 Great Hill Partnersがリードで、既存投資家の.406 Ventures and Eight Roads Venturesも追加出資し、計50億円調達。
リンク:BOSTINNO記事MineralTreeサイト

4. 産業IoT/ICS向けセキュリティSaaS CyberX:Series C 18億円調達

CyberXは、2013年イスラエル発祥の、産業利用のIoT及び産業用制御システム(ICS)に最も広く展開されている産業サイバーセキュリティプラットフォームを提供するスタートアップ。CyberXの自動ICS脅威分析技術は、独自の分析と機械学習技術により、高価な設備が、どんな攻撃を受ける可能性が高いのかを継続的に診断・予測することを可能にする。2022年までにIoT全体の約50%を占める1.5兆個のデバイスはヒトの制御ではなく、M2M(Machine to Machine)によるデジタル制御になると予想されており、カンタンかつ安全性の高い産業用途向けセキュリティが求められる。

今回のシリーズCでは、Qualcomm Venturesがリードで、クリーンテック・ファンドInven Capitalも参加し、計16億円を調達。
リンク:Xconomy記事CyberXサイト

5. 産業向けドローンのサブスク+データ解析SaaS Kespry:Salesforceから調達(調達額非公開)

Kespryは、2013年サンフランシスコ発の産業向けにドローンのサブスクリプション及びドローンから得られた画像の解析に特化したSaaSを提供するスタートアップ。現状は鉱業(マイニング)が中心だが、建設や住宅保険、エネルギー産業向けに提供しており、既に300社以上の顧客基盤を持つ。

今回のラウンドでは、Salesforce Venturesから業務提携目的で調達(調達額は非公開)。KespryとSalesforceは、住宅保険分野でのドローン活用による住宅被災状況の自動解析とCRMの連携を視野に入れている。
リンク:TechCrunch記事Kespryサイト

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