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[教員/指導者向け事故防止] 授業や行事・部活の失敗で炎上しないために #5 今月の小学生死亡事故多発に思う

今年2024年の5月、恐ろしいことに毎日のように小学生などの死亡事故が報道されました。
日本は諸外国と比較して、交通法制や交通インフラが充実してきて、全体の交通死亡事故もだいぶ減少しているはずなのに、今の状況は異常事態と感じます。

私は高校生の「保健」という教科の中であえて交通事故の項目を重視して授業時数の少ない中、重点的に取り上げてきました。
それは過去の経験からに鑑みての選択でした。

私の仲間であり、ある都道府県の公務員として活躍していた友人がいました。

友人は、自身の競技歴では優秀な選手であり、都道府県の公務員として、強化の立場としても、全国レベルの選手を多数輩出し、指導者として大いに活躍していました。

ある時、車を運転中、事故を起こしてしまいました。
無謀運転でない、まさしく出合い頭だったと思います。
自身の運転する車がバイクと接触したことで倒れ、その運転手は帰らぬ人となってしまいました。
本人は大いに反省し、相手に対してできることは誠心誠意対応していたと感じます。
その後、訴訟により、執行猶予付きの有罪判決が確定しました。

この結果を受けて、公務員として失職し現在に至っています。もちろん、青少年ためにと行ってきた部活動や教育活動、指導はできなくなってしまいました。

このNOTEをみていただいている方々は、指導者、教育者の立場で、子供たち、生徒たち、学生たちの教育や指導に携わっていると思います。
前にも書きましたが、子供たち、生徒たち、学生たちのために、ある意味サービス精神をもって、素晴らしい経験をしてもらいたいために、尽力されている方々でしょう。

しかし一歩間違えると、交通事故をはじめ、子供たちや自身を危険な状況に追い込む事案が発生してしまうことになる可能性をはらんでいることを理解しなければなりません。

私の関係している陸上競技界でも、自動車で児童生徒を乗せて、遠征にいったり、送迎したりすることも多々あります。
過去には、全国大会の予選大会で、大会後の送迎で事故が発生し、生徒が死亡してしまう事案もありました。

いくら生徒のために、子供たちのために、サービスで行ったことでも、過失は過失。表に出てしまえば、責任を問われてしまうことになります。

もちろん、自動車運転のようなことを絶対に引き受けないようにしなければならないといっているのではありません。ですが、現実をしっかりと受け止め、理解し、事に当たることが大事と考えて、今回のことを書き出した次第です。

児童生徒、学生の活動を一生懸命に支援指導している方々、先生方、その素晴らしい行動に水をさす、責任を問われるようなことにならないよう、もう一度ご確認くだされば幸いです。

教訓

①私の「保健」授業で特に重要として指導したこと、それは「とまれ」標識は絶対に守る。「とまれ」の先は優先道路。免許のあるあなた方はよくわかっているはずのなのに、「とまれ」を軽視していませんか。「とまれ」を止まらないでいけば、突っ込まれます。相手は小学生の自転車かもしれません。
またダンプカーが危ないとは誰もが理解できますが、軽自動車は小さくぶつかっても大したことはないと児童生徒、私たちは感じています。そこで例えとして、ウエイトトレーニングで使うバーベル100Kg、どう感じるかを高校生に聞いてみると、「とても重いし危ない」と返答。軽自動車でも600Kg。そんな重い物がスピードをつけてぶつかったら・・・。

②都会などのグランドの狭い学校などでは公道を利用した練習を組んでいる場合が多いです。陸上のLONGなんか当たり前ですね。選手の立場ではどうでしょう。速く走るのが当たり前の選手たち。しかし、見通しの悪い交差点、「とまれ」のあるT字路などで、選手は止まりますか?
練習の指示をする立場の監督者は、どのように指示していますか?

③部活動や学校運営にかかわらない私的な場面での自動車運転。だからと言って責任が問われないことはありません。自動車を運転する場合は、いつもそんな危険な状況(自身の厳しい状況に陥る可能性)を理解して、決して無謀運転や油断運転をしないようにしようという意識を保つ。なお、自転車運転も同様です。

④昨日も道路の脇を歩行中、高齢者と思われる軽自動車が私の脇を結構なスピードを出して通過していきました。特に歩道の区別のない狭い道路は、絶対的な注意を払い運転するべき。いつ歩行者が飛び出るかわからない。免許を取得する際に、教官から指導された「~かもしれない運転」を励行する。

⑤児童、生徒を乗せて送迎する場合は、しっかりと事前に保護者の同意を得ること、手厚い保険に加入すること(レンタカーの場合は特に注意)。ただし、保険に加入したからといっても、もしもの際責任を軽減回避することはできません。勘違いしないで、安全運転を徹底。

⑥最近感じる問題点。「信号のない横断歩道」問題。法改正により、待ち人がいる場合、車が止まらないと違反になる。当初から、危ない場面のを多数見る。片側の車が止まって歩行者、自転車を渡らせるとき、反対車線の車が止まらないで危険な場面になる場合がある。意識が低く、故意で通過する問題者はともかくとして、相手車線の車の死角に入って見えない場合がある。この場合、車列の中からいきなり歩行者などが現れる。これ、死亡事故につながると感じます。信号のない横断歩道は危険地帯。注意しましょうね。特に渋滞中の車列の横を通る際。


みなさん、交通事故は私はあまり関係ないと思っていませんか?
自分がいつも安全運転しているから大丈夫などと思っていませんか?
自分が起こす交通事故はもちろんですが、自分がもらう交通事故もあります。
子供や若い人は予期せぬ動きを取ります。
軽自動車でも大事故を引き起こします。
もう一度、基礎に立ち返ってはいかがでしょうか!






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