見出し画像

「推す」勇気。


新しく推しができるたびに、自分の心に問いかける。

「だいじょうぶ? 本当に、推す覚悟、ある?」


「推す」ということ

何を大げさな、と自分でも思う。
ここでいう「だいじょうぶ」とは、

・追う余裕があるのか(時間・金銭・気持ちの面で)
・その人のことを”知る”勇気があるか

ということを指すのだが、まあ時間やお金はなんとでもなるとして、大事なのはこの地球上に存在している”人間”を推す=知る(その大半がその人間と会ったことがない状態で始まる)、ということ。正直、「あ、好き」と思った瞬間はごく一部を切り取ったもので、その人のことが本当にまるごと好きかどうかなんて、その時点でまだわかるはずもない。じゃあその人をまるごと知ることはできるのか? 結局不可能ならそれは虚しい行為なのでは?とも考えられるけど、私の中では推す=その人のことを知りたいと思う、ということなのだから仕方ない。

知ろうとするには、エネルギーがいる。

自分がその人のことを知らずに過ごしてきた過去の時間、自分にとっても大事な瞬間がいくつもあった過去の時間、その中に推しが経験したであろうことが重なると、勝手に胸があつくなる。あの時、彼/彼女はここにいたのか、こんなことに取り組んでいたのか、こんな人たちに応援されていたのか。

「もっと早く出会いたかった」という気持ちも抱かないこともないけれど、それよりも私は「今出会うべくして出会った」運命論的なものを信じているので、自分の過ごしてきた時間(とその当時推していたものたち)を尊く思っている。


知ろうとする中で悲しい思いをすることもある。

たとえば過去の炎上、事件(というほどのことでないにしても)。
推しも人間である。すべてを擁護するわけではないにしろ、芸能人になる前のことを騒ぎ立てて徹底的に叩こうとする論調は疑問に思う。それも応援してきたファンが声を上げるならまだわかるけれど、外野があれこれと口を挟むなといいたくなる。

話がちょっとそれたけど、そうしてその人のことを知っていく中で、複雑な思いもする。泣きそうになることもある。でもそのすべてを通して、たいてい私は「ああ、好きだなあ」と思う。「やっぱり違うかも」となることがあまりない。直感は正しい。その知っていく時間を重ねること、それが”生きている人間”を推すことだと思う。その人の考えや感性に触れること、感じてきたことを共有してくれること、それによって自分の見るもの、聞くもの、感じることに変化があること。たとえ一方的にであっても、かかわっていくその過程が楽しい。

「推し」は、ただかっこいいだけでは、かわいいだけではなくて、表にでてみせてくれる活動の中で、悩んだり、葛藤したり、血のにじむような努力をしたり、仲間と喧嘩をしたり、そういう人間活動をたくさんしている。それもぜんぶ含めて、そのひとの「信念」「信条」を「推す」のだから、こちらも覚悟が、勇気が、いるのだ。と私は思っている。


つまりは新しい推しの話がしたい

最近、また推しが増えたのでここに記録します。(結局これが言いたかった)

いままでバンド、俳優をメインに推していた私は、2019年冬にBTSを好きになってからというもの、コロナ禍を経て韓国にずぶずぶにハマってしまった。以下には主にK-POPアイドルについてだけど、今までの変遷をまとめたいと思う。

2019年冬、録画していたFNS歌謡祭を深夜に再生して、BTSのテヒョンくんを初見。「これ誰?!」となり、調べ始める。
2020年春、やっとBTSのメンバーを全員覚え、曲の良さに驚く。
2020年夏、BLACKPINKのパフォーマンスも最高。リサちゃんをフォロー。
2020年秋、後輩グループTXTのヨンジュンに撃ち抜かれる。即FC加入。
2021年夏、ヨンジュンの友達・ATEEZウヨンくんのAOTM(Artist of the Month)のBadのパフォーマンスを見て、目が離せなくなる。そのときちょうどATEEZがカムバすると知る。タワレコに行く。トレカたくさんくれる。VLIVEを見る。ライブ映像を見る。サンくんを推さずにいられなくなる。


2021年秋、転職を決意。コロナあけたら仕事でかかわれるかもという気持ちに後ろ髪をひかれつつも、自分は自分の夢を叶えようと、サンくんに誓う。(余談:サンくんが過去ブイラで、「ファンにとって生活の中の最優先、いちばんが僕たちであってほしくはない、とてもうれしいことだけど、自分の時間や人生をいちばん大切にしてほしい」ということを真剣に語っていて、アイドルらしくはないけどとても人間らしくて好きだった)

2021年冬、ATEEZのFCに加入。ライブが決まっていたわけでもなかったので、妹に「どうした?」と心配される。夜間飛行という曲がものすごく良かったんです。聴いてください。



2022年春、去年の夏から何度も何度も何度も聴いていたキングダムの「Love Poem」(この動画見るたびに泣く。人生の一曲。原曲はみんな大好きIU)、Stray Kidsのスンミン君の声がかなりツボだったので、ソロで歌ってる曲がないかSoundCloudを漁る。スキズだと8人いるから歌割が1曲のうちだとすくないのと、激しい歌が多くてスンミンくんの声に集中できないと思ったので。結論からいうとこれが致命的だった。「Neverending Story」という曲にたどり着いてしまい、YouTubeという永遠におすすめをしてくる怖い人によってFIRST TAKE3連発をキメるまで、あっという間だった。


そこから今に至る1か月弱のうちに、私はイ・ミノのことしか考えられなくなってしまった。

何があったのか、もはやよくわからない。きっかけはアルバム収録曲の「wow」だったことは微かに覚えている。ATEEZきっかけで観ていたキングダムはすべて履修しなおし、オンラインコンサートのチケットを買い、カムバ(本当に、気になり始めるとタイミングよくやってくる例のやつ)を追い、これだけは手を出してはだめだ……やめるんだ……人間を知ってしまう……と遠ざけていたリノくんのVLOGを、先週、とうとう再生し始めました。


そして、冒頭に戻る。(長かった)

私はリノくんのことを知ろうとしている。推したいから。

またきっといろんな感情に会えるし、それがとても楽しみだなと思う。


※今日発表されたスキズの日本アルバムに「Silent cry」が収録されると知って、先日のライブのパフォーマンスをみて完全にリノくんにやられてしまった私は雷に打たれたような衝撃をうけ、1年以上放置していたnoteをひらき、この文章を書いた次第です。

※ここまで読んでいただきありがとうございます。ついでに最後に、BTOBの그리워하다を聴いてください。去年知っていちばん良かったと思えた曲。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?