事実と真実。
事実と真実。
事実は起きたこと。真実は受け手それぞれの想いや感情が入る。
表に出ている真実は事実に近いのだろうか?都合のいい真実になっていないのだろうか?
歴史が変わっていくのはその辺りがあるからなのだと思う。
覆されていく歴史。起きたことを正しく伝えることがこれから大切になっていくのではと思います。
わたしはアイヌのルーツをもち、そのことでイジメを受けたことで自分のルーツを否定し続けました。
この顔、この体、この髪、すべてが嫌いでした。
「ア」や「イヌ」と聞こえるだけでびくついてました。
でも、今は平気です。「誇り」を持てたから。
なぜ誇りを取り戻せたのか…事実を知り、わたしの中の「真実」が変わったからです。
アイヌは日本の先住民族。
なのに、わたしの時代は歴史ではふれらていなかった。単語で「アイヌ」と出たくらいでしょうか。
アイヌの精神性や知恵は親からも継承されず、歴史からも学んでない。
なぜ?
なぜ日本は「単一民族国家」と言い続けてきたの?
同化主義政策でアイヌは文化を奪われました。野蛮、原始的な生活をしている、文明人であれとアイヌ語を禁止し日本語で勉強をする…
絶たれた文化は父も母も継承されていません。
だからはわたしはアイヌのルーツをもっているなんて少しも思っていませんでした。
なぜ、アイヌ文化は絶たれ、歴史の中でも表に出なかったのか…
現代では歴史の勉強の中で出てきたり、地域社会の勉強に取り入れられたりしていますが、それでもまだまだ表に出ていない事実があることを知りました。
わたしは事実を知り、自分の中の真実として落とし込み「伝える」伝えていこうと決めました。
伝えていくことに恐れもあります。
でも、伝えていく。
昨日、新聞社の方から曽祖父のことが載っている文献のコピーを見せていただきました。
曽祖父は樺太アイヌで樺太から日高に移り、そこから白老へ来た。
『日露戦争頃には漁場を経営し、部落改善、土地問題、子弟の教育など白老コタンのために貢献した。晩年は大正5年に設立された「土人部落協会」の二代目会長に就任。白老コタンにおける近代リーダーの先駆けである。』
新聞社の方は「これを読んで田村さんが白老やアイヌのことに熱心に活動しているのかが理解できた」と言ってくださいました。
わたしもなぜ自分がここまで地元「社台」を愛し、アイヌ文化に対し想い強く持ってを伝えることをしているのか…腑に落ちました。
伝えること…使命。
アイヌの精神、知恵、文化。今、必要とされていること。
そして、アイヌのルーツを持っている方々が誇りを復活させること。
昨年、偶然見た「アイヌとGHQ」という番組でアイヌの先人たちは「にこやかな気持ちで考えてみるのだ」と言っていました。
1992年国連総会「世界先住民の国際年」記念演説をした北海道アイヌ協会 野村義一理事長(当時)は演説の中で
「私が今日ここに来たのは過去のことを長々と言い募るためではありません」とし、
「先住民の国際年の精神にのっとり日本政府および加盟各国に対し先住民との間に『新しいパートーナーシップ』を結ぶように求めます。私たちは現存する不法な状態を我々先住民族の伝統社会の最も大切な価値である、協力と話し合いによって解決することを求めます。私たちはこれからの日本における強力なパートーナーとして日本政府を私たちとの話し合いのテーブルにお招きしたいのです」
https://www.ainu-assn.or.jp/united/speech.html
スピーチの全文はコチラ ↑ ぜひ読んでください(*^-^*)
アイヌの精神性の素晴らしさ…。辛く悲しかった、過ぎたことに囚われることなく話合いの場をもとうと歩み寄る。
深く深く共感します。
アイヌのルーツを持っている方はこの精神が宿っています。わたしたちの「誇り」です。
誇りを取り戻せば「愛」があふれ、波紋のように広がると信じています。恐れず「誇り」を取り戻してほしい。争いは必要ない。
野村さんは母の伯父に当たる方。このような愛ある演説を国連で堂々と話せる方が遠戚にいたこと誇りです!
「アイヌ文化」「真実」を伝えることは「愛」を伝えること。
恐れず前へ進みます。
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