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ミナノの「た・ん・か」

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日々の出来事を「三十一文字」で切り取っていけたら…と思っています。 ※イラスト/ノーコピーライトガール
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記事一覧

【短歌&小さな物語】「刑事コロンボ」

わたしにとって「倒叙ミステリ」と言えば、やっぱり『刑事コロンボ』シリーズだ。 子供の時、…

【短歌&小さな物語】「萬聖節」

「ハロウィン」は華語(中国語)で、「萬聖節」という。 カレンダー上、ハロウィンは終わった…

【短歌&小さな物語】「風、止まる」

忙しい時というのは、いろいろなことが重なる。 電話がかかってきたり、返信しなきゃいけない…

【短歌&小さな物語】「ショーロンポー外し」

「鼎泰豐」は、日本で一番有名な台湾のレストランかもしれない。 そして、「鼎泰豐」と言えば…

【短歌&小さな物語】「スパゲティー」

スパゲティーをゆでると村上春樹を思い出すようになったのは、いつからだろう。 例えば『ねじ…

【短歌&小さな物語】「ボール」

小さい頃から、運動が苦手だった。 短距離走なんかすると、ほぼ確実に転んでいたため、小学校…

【短歌&小さな物語】「背中」

歩いていると、後ろで鋭い犬の声がした。 振り返ると、今通り過ぎた郵便局の前に白い犬がいて、吠えている。 郵便局の入口の前は幅の広い段々になっているのだが、そこに所在なげに座っていた男の人に向って吠えている。 ――小白じゃない? 小白はこの通りの先にあるかき氷屋さんの白柴だ。わたしの短歌シリーズの第一回に出演している。↓↓ 小白には会える日と会えない日がある。会えない日の方が多い。小白は忙しいのだ。 小白に吠えられて、男の人は明らかに困惑している。別に犬をいじめそう

【短歌&小さな物語】「餃子」

水曜日は、ちょっと仕事が忙しい。 さて、晩ご飯はどうしよう。 外食したくない。 でも、ち…

【短歌&小さな物語】「冷凍焼き芋」

おイモが好き。 それも、ホクホク系よりしっとり系。 台湾のおイモはしっとり系なので、わた…

【短歌&小さな物語】「疲労」

以前、「疲労」というのは一晩寝れば回復するものだと思っていた。 しかも、眠ろうと思えばい…

【短歌&小さな物語】「緑豆湯」

「カルピスは初恋の味」という、昔の有名なキャッチコピーがある。 昔ってどのくらい前なのか…

【短歌&小さな物語】「甘噛み」

犬の甘噛みは不思議だ。 あんなに硬く鋭い歯を持っているのに、痛くない。 その時だけ、尖っ…

【短歌&小さな物語】「交際中」

北極のシロクマに対する申し訳なさから、クーラーの君とは涙を呑んで別れることにした。その顛…

【短歌&小さな物語】「台湾の河津桜」

特に何か嫌なことがあったわけではない。 それでも、ふっと心が疲れることがある。 家の近くの公園に、一本の河津桜がある。 「日本の静岡県からわざわざ取り寄せた」という意味の説明が書かれている。 その桜の枝の葉が、なんだかおかしいのだ。 縮れたように丸まって、変な色をしている。 ――もしかして病気なんじゃないかしら? 俳句なら、「病葉」は夏の季語になる。青葉繁れる中、そこだけ変色してしまっている病気の葉のこと。 今は十月半ばで、さすがに青葉の季節ではないが、台湾は