日記 睡眠薬

いつも時計が3時の針を刺した時、眠らなきゃなって
思う。一ヶ月分処方されたモノを1錠、もしくは2錠飲み込んで布団を被る。抱えてる寂しさが大きくなって、少し気になってる程度の女性に連絡して、朝起きて後悔するっていう一連の流れは最近は無くなったけれど、変わらず飲み続けている。

もしかすると睡眠薬って、外付けの電源スイッチなのかもしれない。続きが気になってやめ時がわからなくなるRPGにとりあえず区切りをつけるように、別に起きてられるけどしょうがないから寝てやるか、みたいな感じ。そうかだから部屋の中にないとあせってしまうのか。携帯ゲーム機と同じで、僕ももうすぐ充電が切れてしまうんだから。

8時間の充電を経て昼前に起きる。まだまだ寒いので、暖かいスープとパンとか食べたりすると、食事効果で少し寒さが緩和される。コートと合わせると効果大だ。ここ何年かはマスクを付けないとイベントが進まないので必須装備だな。あとは財布や携帯、ハンカチ、もしもの時のための傘とか、たくさん準備しないと、ドアの外には危険がたくさんある。

乗りたくもない電車に乗って、聞きたくもない音楽を聴いて、見たくもないニュースを見て、30分くらい経つと、目的地に到着した。電源屋さんだ。
電源屋さんは故障箇所を聞いて、それを治す手伝いをしてくれる場所なんだ。僕らはみんな、最終的には自分で治さなきゃいけないパーツが多いんだ。

なんやかんやで、僕は一ヶ月分の電源ボタンを貰って帰ってきた。僕は明日も、明後日も、一ヶ月後も、一年後も、ボタンを貰っておかなきゃいけない。そうしなきゃ普通でいられないから。そうしなきゃいつか壊れてしまうから。

僕は色んなところが故障していて人より上手に動かせないけれど、まだ壊れたわけじゃない。





「なんて夢を見たんだけどどう思いますか?」
「眠剤あるあるなんですけど、夢結構見ますよね?」


ゴクリ

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