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【試訳】ライバッハ「芸術と全体主義」

 芸術と全体主義は相容れないものではない。  全体主義諸体制は、諸個人が革命的芸術的自由を有するという幻想を廃絶する。ライバッハ・クンストは、個人の嗜好、判断、信念の意識的放棄という原則に基づいている(…)。すなわち、自発的な脱人格化、イデオロギーの役割を自ら進んで受け入れること、体制の仮面を剥ぎ取りそれを再演すること、そして「ウルトラモダニズム」であること……。  物質的な力を有する者は精神的な力をも有する。そして、政治的な操作の対象となるのは、この操作の言語を話す芸術を

    • 【試訳】ライバッハの十戒

      訳者序  社会主義ユーゴスラヴィア最後の10年間に一大センセーションを巻き起こし、国内のみならずその悪名を西側諸国[1]まで轟かせ、現在に至るまで活動を続ける芸術集団ライバッハの主要なマニフェスト(宣言文)[2]を訳出した。スロヴェニアの首都リュブリャナのドイツ語名を冠する、炭鉱町トルボウリェで結成されたこのグループは西側ではインダストリアル・ミュージックに分類され、この日本でもそれなりに認知されており、さらにノイズ・インダストリアルのファンという狭いサークルに限定すれ

    【試訳】ライバッハ「芸術と全体主義」