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一月の声に歓びを刻め - テアトル新宿

テアトル新宿をミニシアターというのはちょっと違うかもしれない。サイトをみたら「日本映画の今を写し出す邦画専門の映画館」とあった。古くから新宿という場所で良質な映画を掛けている映画館という意味では好きな映画館だ。映画のテーマもあったかもしれないけど、映画館という場所にいることを忘れさせてくれる、そういう映画館だ。

「一月の声に歓びを刻め」は3つの物語が語られる映画、カルーセル麻紀さんが最後の出演と覚悟をきめてその1つの物語を演じられている。前田敦子の鬼気として迫る演技もすばらしい。この3つの物語の共通項は、「れいこ」という女性が「ある事件=DV」にあっていると言うことだけだ。

れいこは名前が同じなだけで、同じ人間ではない。れいこ本人がでてくるのは前田敦子さんが演じる物語だけで、カルーセル麻紀の物語にも、哀川翔さんの物語にも過去のひととして描かれている。

そして「ある事件」は、本人だけでなく、まわりの人も長い時間苦しめると言う事実だ。DVはその時に痛みがある問題じゃない。本人もまわりの人の心も蝕むのだということだ。

見方によってはフェミニズム的な文脈で見れるこの映画は、脚本・監督 三島有紀子と言う女性によって暖められてきた。故に、このテーマをえらんが監督の映画には適度な湿度があり、心に染み渡るように描かれている。

もう一度見たい映画だ。町田でも架けたい。


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