韓国の結婚式は招待状なしでもOK!友人の友人でも父親の主治医でもウェルカムなのが韓国スタイル(ドラマ『賢い医師生活』について#9)
『賢い医師生活』について、9回目です。今回は韓国の結婚式について、ドラマのエピソードと一緒にご紹介します。
第3話で、胸部外科医のキム・ジュンワン(チョン・ギョンホ)が、後輩に借りた銀色のスーツを着て、周りには言わずこっそりと結婚式に行くシーンがあります。
tvNドラマ公式ページ http://program.m.tving.com/tvn/doctorlife より。
自分が担当した患者の娘の結婚式で、患者の命を優先するジュンワンは結婚式とかぶる手術の日程をずらさず、そのストレートな物言いや態度を娘に恨まれていました。ドラマの中では結婚式に出席するシーンはありませんが、結婚式後に病院に駆けつけた家族たちが結婚式の写真を見返していると、そこには銀色のスーツを着たジュンワンの姿が写っています。
ドラマ『賢い医師生活』からのキャプチャー画面。
ジュンワンは招待状をもらっていたのかと不思議に思った人もいると思いますが、韓国ではちょっとした知り合いでも結婚式に顔を出してご祝儀を渡すことは珍しくありません。優秀だけどいつも冷静で、患者にも看護師にもドライで冷たいと思われているジュンワンは、じつは心が暖かく、誠意をもって患者のケアをする人だというのを表すシーンだったと思います。
イ・ミンギとチョン・ソミン主演の2018年のヒットドラマ『この恋は初めてだから』は、大家と賃借人の男女がひょんなことから同居生活を始め、契約結婚することになるラブコメディです。
tvNドラマ公式ページ http://program.m.tving.com/tvn/tvnfirstlife より。
第5話で、韓国の結婚式事情が出てきます。結婚式は両親にとっても大事な行事なので、当事者が式を縮小したくても両親のことを思って、ある程度の規模で挙げることも多いです。
その理由の一つには結婚式のお祝い金「ブジョグム(부조금)」のことがあります。韓国の結婚式は親戚から友人、知人、会社の同僚まで数多くの人に招待状「チョンチョプジャン(청첩장)」を配り、多くの人に来てもらえるようにします。昔から、冠婚葬祭の費用が負担にならないようお互い助け合う意味で、結婚式や葬式の際には近親ではなくても周りの人が皆行ってあげるという意識があるのです。
最近は結婚式のスタイルも変わり、家族や友人だけで開くことも増えていますが、小規模の結婚式にすると、今まで多くの結婚式にお祝い金を払っていた両親にとっては損ということになってしまうのです。もちろんお金のことだけではなく、子どもの結婚は親としての役割にピリオドを打つことになるので、周りの人々にその姿を見せたい気持ちがあると思います。
また、式を挙げること=結婚という意識が強い韓国では、結婚式を挙げないのは珍しく、式を挙げる前に婚姻届を出すこともめったにないです。最近は式を挙げてすぐに離婚することを恐れて、結婚式から半年や1年くらい婚姻届を出せないケースも多いようです。
*招待状「チョンチョプジャン 청첩장」
招待状は多くの人に配るので、招待状をもらっても親しくないので行きたくない場合、出席の有無は返事をしなくてもいいです。結婚式を挙げる側は多めに予測して準備するので、食事が足りないケースもほぼありません。招待状がない間柄の友人の友人、彼女の友人、友人の親戚などつながりがあれば誰でも参加できます。昔は郵便や手渡しで招待状を配りましたが、最近はカカオトークやSNSでお知らせすることが多く、モバイル招待状も増えています。
*ご祝儀「ブジョグム 부조금」
式に出席しなくても銀行振込でお祝いだけ送るケースも多いです。金額の相場は友人や同僚で5万ウォン~10万ウォン(およそ4500~9000円)、親友や親戚など近親になればなるほどもっと多い額になります。
*食事
一般の結婚式場は式を挙げるところとレストランが分かれていて、食事はビュッフェ形式が多いです。式場に行くとまず受付でご祝儀を渡し、そこで食券をもらうようになっています。食券を持っていない人はレストランに入ることができません。最近は、式を見ながらコース料理を食べるところも多いので、結婚式場によって食事スタイルも少し異なります。
*ブーケトス
新婦が使ったブーケは結婚が近い女性の友人にあげる風習があります。あらかじめ誰にするか決めておき、結婚式の最後に新婦が後ろに投げたブーケをその友人が受けとるパフォーマンスをします。そしてブーケをもらったら6ヶ月以内に結婚しないと、3年間結婚できないというジンクスがあります。
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