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父親からお酒の飲み方を教わるセロイ 韓国社会で大切なお酒のマナー(『梨泰院クラス』について#5)

『梨泰院クラス』について、5回目です。

 日本以上に上下関係や礼節を重んじ、またコミュニケーションの場にお酒が欠かせない韓国では、お酒のマナーを正しく覚える必要があります。

 第1話で、主人公セロイ(パク・ソジュン)が父親から目上の人とのお酒の飲み方を教わるシーンがあります。

 大手外食企業「長家」を長年支えてきた仕事熱心な父。その父の本社勤務にともない転校したセロイは、理不尽ないじめを見逃せず「長家」会長の息子を殴り、転校初日に退学処分になります。父はセロイを信じ、自ら退職。断固として頭を下げないセロイと、土下座するまで許さない会長の悪縁はここから始まります。

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 ドラマ『梨泰院クラス』からのキャプチャー画面

 信念を貫き衝撃的な1日を過ごしたセロイが、父親と向かい合って初めて飲むお酒は、けじめと再出発のお酒。このあとの彼の人生にとって、大変重要なシーンです。

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 ドラマ『梨泰院クラス』からのキャプチャー画面

 お酒をついでもらうときは両手でグラスを持ち、飲むときは体を横に向けて目線を合わせないようにして飲む。自分が目上の人にお酒をつぐときは右手で瓶のラベルが見えないように持ち、右手に左手を添える。

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 ドラマ『梨泰院クラス』からのキャプチャー画面

 つぐ量はグラスの7分目ほど。乾杯するときは自分のグラスの高さを少し下にずらす。親から教わることで悪い酒癖がつきにくく、お酒の席で失態を犯さないような心がまえができるのです。

 相手のグラスが空になったらすぐお酒をつぎますが、まだお酒が残っているグラスにつぐのはマナー違反です。これは焼酎でもビールでも同じです。酒大国の韓国では水割りの文化がなく、焼酎のストレート飲みが基本ですが、最近は日本から伝わったハイボールやサワーなども流行っています。

 若い人の間ではアルコール度数の低いサントリーの「ほろよい」シリーズも大人気で、日本のお土産としてだけでなく韓国でも販売されてヒットしています。ゆったりと飲むようなニーズが増え、韓国のお酒文化も変化してきているのかもしれません。


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