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レバレッジとは何か

売買代金ランキング 2022/12/09

東証の売買代金ランキングでいつも1位2位を争っている、日経平均レバレッジ上場投信(日経レバレッジETF)
また、コロナ後の米国株上昇で大人気だったのがiFreeレバレッジ NASDAQ100(通称:レバナス)
これらレバレッジとは何でしょう。

レバレッジとはいわゆる「てこ」のこと。投資では「レバレッジをかける」という表現を良くしますが、これは対象の指数や個別株に対し、その値動きを増幅させて売買益を得ようとする行為です。
例えば信用取引を利用すると、現物株の30%の担保金を積めばその株を購入でき、反対売買で決済すればその売買益のみを享受できます。
また日経平均などは、先物市場で証拠金の最大25倍程度の売買を行うことが出来るため、小さな資金で大きな利益を得ることも可能です。

さて、前出のレバレッジETFですが、これは信用取引や先物とは違い、インデックスの動きを基準に2倍の動きになるよう設計された投資信託のことで、これを売買することによりインデックスの動きより大きな値幅を狙うことが出来る商品です。

レバレッジETFには一つ注意が必要です。
証拠金や保証金を積む信用取引や先物とは違い、レバレッジETFはインデックスそのものでなく設計された投資信託であるため、値動きはあくまで前日比が基準であるということです。
例えば前日比おいてインデックスが1%上昇した場合、レバレッジETFは2%上昇するのですが、上昇・下落を繰り返す相場において、たとえインデックスが年間を通じて20%上昇したとしても、レバレッジETFの上昇率は20%にはならないということです。

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村アセットマネジメント)

大ブームになった「レバナス」についても同様で、NASDAQが2倍になっても、レバナスは減価があるため4倍になることはありません。(ここを知らずに投資をしている人をずいぶん見かけます)
また、逆にNASDAQが半値になれば、レバナスは1/4以下に値下がりする可能性が高いです。長期投資であっても我慢できるでしょうか?

それでも長期目線で右肩上がりの上昇を続けるインデックスが基準となるレバレッジ商品はまだしも、下落の2倍の値動きを狙う「インバース」という商品もありますが、これは長期で持てば間違いなく資産は減少の一途をたどります。

日経ダブルインバース週足(CODE1357)

いずれにしても「レバレッジETF」という商品は、値上がりに関してはレバレッジが緩やかで、値下がりについては倍以上値動きすると理解して良いので、投資する際はその点を十分留意して行うべきだと思います。

また、昨今はこの「減価」というデメリットを承知のうえで、積み立て投資により「ドルコスト平均法」を活用して減価分を穴埋めしながら、「レバレッジETF」を長期投資の対象にしようとする動きもあるようです。

興味ある方は、こういう研究も楽しんで学んでもらえれば良いですが、投資に時間をかけたくない面倒くさがりの「普通の人」さんたちは、これまでおすすめしてきた「時価総額加重平均連動のインデックスファンド」への投資だけで十分です。

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