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【ドラマ感想】トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜

「トッケビ」。おすすめ韓国ドラマでよく出ているので、見てみたら…ファンタジー好きにはたまらない。こりゃ、面白いわ。
ファンタジーを超えて、メルヘン。

あらすじ

高麗時代、武臣のキム・シンは王命により辺境の地で戦い続け、戦果を上げ続けた。
その結果、幾千もの命を奪った。
戦勝を上げ続ける、キム・シンをやがて人々は「神」と崇める。
それに対して、王は「謀反だ」と主張し、キム・シンは処刑される。
無念の想いを残し、人々にその命を惜しまれ続け、やがて彼は
トッケビとなって蘇る。
トッケビは不思議な力を持ち、不滅の命を生きる。
しかし、同時に信頼し愛する者たちの死を見つめ続けなけらないけないという、
孤独な宿命を負っていた。
トッケビの胸には、王から下賜された剣が痛々しく突き刺さったままだった。
その宿命を終わらせることができるのは「トッケビの花嫁」だけ。
トッケビの花嫁だけが、その剣を見ることができ、抜くことができる。
トッケビは花嫁に出会うことのないまま、900年の歳月を孤独に生き続けた。

そして、現代。
トッケビはある少女と出会う。
チ・ウンタクは、生まれる前に死ぬはずだったところをトッケビの奇跡により、
命を得ることができた少女だった。
幼い頃に母親を亡くし、叔母家族に引き取られ、いじめられて育ったウンタク。
幼い頃から幽霊を見ることができるウンタクは周りからも気味悪がられていた。
孤独に生きてきた少女は、
トッケビと出会い、希望を見出す。
「自分こそがトッケビの花嫁だ。」
自分の存在価値を、「トッケビの花嫁」であることに託す。
半信半疑だった、トッケビだが、やがてウンタクに惹かれていく…

一方で、ウンタクが生まれる前にその命を奪っていくはずだった死神の存在。
死神とは、前世で大罪を犯したものが、その記憶を失い、生まれ変わることができず、死神として職務を全うしつるけることを課せられた存在だった。

死神は、ひょんなことからトッケビの家に一緒に住むことになる。
その過程でウンタクと出会い、その命に同情を寄せるようになる。
ある日、死神はサニーという女性に出会い、
どうしようもなく惹かれる。
彼女に惹かれて仕方ない自分を不審に思いながら、
前世の記憶を呼び戻していく。

死神とサニーの恋、トッケビとその花嫁の恋。
その二つが成就することはあるのか…

トッケビとは

トッケビをネットで調べてみたら、wikipediaでも出てきました。

トッケビは朝鮮半島に伝わる精霊、妖怪。朝鮮時代には具体的な姿形は表象されず、鬼火などの精霊的な存在として伝承された。

日本でいう「鬼」とか「妖怪」とかそんな感じのよう。日本にもいる、色々地域によって親しまれたり恐れられたりするような、そんな存在。
座敷童とか、沖縄のキジムナーとか、天狗とか?
悪戯をしたり、時々人に幸運をもたらしたり、悪い奴を懲らしめたり…

ドラマの中でも、トッケビは
「今日は人が死ぬのをみたくない」と言い、
ウンタク親子の命を救ったり、
家出をしようとする少年の未来に救いの手を差し伸べたり、職を失った人に助言をして仕事を与えたりする。

伝説では、箒に変身するとか、ツノが生えているとか言われているようなトッケビを演じる、コン・ユ。
もちろん人間の、しかも現代のおじさまを演じているわけだけれど、
ちゃめっけたっぷりに死神と喧嘩したり、ムキになって能力を使ったり。
高校生のウンタクと言い合ったり、ヤキモチを焼いたり…
伝説を伝説以上に愛されるキャラクターとして演じていて、
すごーく魅力的。
wikipediaでは現代では、「トッケビ」伝承は失われつつあるように書かれていたけれど、こんな存在がどこかにいたら素敵だな、と思わせてくれる、
そんな存在が描かれている。

褒美か、罰か

「トッケビ」となり不思議な能力を得て、不滅の命をえたキム・シン。
しかし、周りの人は100年未満で命を終えて、次から次へとその死を見届けていかなければいけないトッケビはいつも孤独との隣り合わせ。

死ぬことができないトッケビにとって、その生は、神からの罰だった。

900年の時を経て出会った、「トッケビの花嫁」ウンタク。
彼女に剣を抜いて貰えば、彼は「無に帰す」と言われている。
その長い、長い、孤独な「生」をやっと終えることができる。
しかし、ウンタクに惹かれ始めるトッケビは、
「もう少しだけ」その命を長らえたい、と思い始める。
彼女がその命を全うする、その時まで、
彼女と時を共に過ごし、彼女の笑顔をそばで見守りたいと、願い始める。

900年の歳月の中で初めて、「生きたい」と願ったその時に
自分の命を終えなければいけない、そのことこそ、
幾千もの命を奪ったものへの神の罰である、と
トッケビは悟る。

自分が愛し、そばにいたいと願う、その人の手によって、
命を終える瞬間を迎える手助けをさせねばならないこと…

しかしながら、ずっと孤独だったトッケビにとって、
彼女を愛すること、
彼女の笑顔、
彼女と笑い合うこと、
彼女と生活を共にすること、
それら全ては「褒美」だった。

キム・ゴウンという女優の魅力

「ザ・キング」で彼女のファンになった私だが、
それより前の彼女を観るのはどうだろう、物足りなくなったりしないだろうか、
という思いがあった。
でも、「トッケビ」の中でのキム・ゴウン。
女子高生役。その弾ける若い生命力。
イキイキとしていて、その力強さに、トッケビと共に圧倒される。
辛い運命も弾き飛ばすような、そんな力強さがある。
不幸に染まらない、透明感。

「ザ・キング」と一人二役を演じて、暗い影のある演技も見せてくれたものの、
正義感の強い、刑事役や真っ直ぐで元気な女子高生、
そんな役が彼女にはすごく似合っている。

「アジュッシ」と無邪気に走り寄ってくる姿は、
トッケビに希望をもたらす存在そのもの。
彼女の存在こそ、彼に光を与えてくれる。

生きることに必死故に、「トッケビの花嫁」であることに執着するウンタク。その必死な様子を明るく、健気に、いじらしく演じられるのはキムゴウンだからこそ、かなあと思う。

ファンタジー、もはやメルヘン

「トッケビ」という存在やその恋物語、そしてさらに「死神」の恋。
もはやメルヘン。

ファンタジーやメルヘンが好きな人には是非是非お勧めしたい。



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