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【映画感想】ビューティーインサイド

https://www.netflix.com/jp/title/80075170

10月31日にてNetflixでの配信が終わると聞き、観てみることにした。
「X」にてやり取りのある方が紹介していて、
賢しらに
「これの原作を読みました〜」とコメントした私。
ところがどっこい。

目覚めるたび、年齢も性別も違う外見になってしまう青年が、1人の女性に恋をする。何とかデートにこぎつけたものの、ずっと一緒にいるためには夜眠れない。

Netflix・あらすじより

「ビューティインサイド」のあらすじがこちら

原作だと私が思い込んでいたのはこちら。

目覚めたら、すぐに「自分がだれか」を把握しなければならない。なぜなら、Aは毎朝、違う人物のからだの中で目覚めるから。共通点は、からだを借りる相手はかならず16才だということ。16才なら、男でも女でもあり得る。住んでいる場所がメリーランド州の一定範囲内であること。からだを借りるのは、一日だけであること。そして、二度と同じ人物にはならないこと。肉体も名前も持たない彼/彼女は、自分のことを「A」とだけ、呼んでいる。

Amazonあらすじより

「エブリデイ」のあらすじがこちら。

「ビューティインサイド」のあらすじだけを読み、私は勝手にこちらの原作だと思い込んでいた。
が、観てみてびっくり。
全く違うものである。
「エブリデイ」の主人公も毎朝、違う体で目がさめる、そしてある日一人の少女に恋をする、という展開だった。
が、「エブリデイ」では毎朝、違う体、違う場所で、それは継続した「誰かの体」に突然目覚める、自分というアイディンティティが全く別人の体に1日だけ入り込むのに対して、
「ビューティインサイド」では常に
「キムウジン」というアイディンティティはそこに存在している。毎朝同じ場所(昨日から連続した場所)で目が覚め、「キムウジン」として生活はしているが、目覚める度に姿・形が変わってしまう。

ある時は男の人、ある時は女の人、ある時はお爺さん、ある時はこども、ある時は韓国人、ある時はアメリカ人、ある時はスペイン人…ある時はイケメン、ある時は禿げたおじさん、ある時は超絶美女(パク・シネ)…
けれど、中身は常に「キムウジン」という男性。
ある日、突然そんな変化が起こるようになった彼のことを理解し、そばに居続けてくれたのは友人一人。そして母親のみ。
人には会わず、交流を持たずに生活を続けていたウジンが出会った一人の女性・イス(ハン・ソジュ)。
イスに想いを伝えたくて、イケメン(パク・ソジュン)の時を選び声をかけるウジン。寝ずにいれば姿が変わらない…そう思い、数日彼女と時間を過ごすが…。

ネトフリのあのあらすじだけではわからない…。いや、私の読解力か?
これと「エブリデイ」を同じものとしていて、本当にすみませんでした。
製作者の方にも、作者の方にも謝りたい。

イス(ハン・ソジュ)がウジンを受け入れ、時を過ごし、けれど、毎朝、会うたびに姿を変えるという事実に打ちのめされそうになってしまう…
相手を受け入れる、とはどういうことか。
内面を愛する、とは簡単に言えども、毎日姿を変える相手を毎日受け入れ、時を一緒に過ごし、本当に愛する、とはどういうことなのだろう、と考えさせられる。
ウジンの方は時を過ごす感覚があれども、女性の方は一緒に時を過ごす実感が持てない。
時間を過ごし、同じ思い出を共有していくことが愛を重ねいていくことならば、
思い出の中に同じ笑顔を思い浮かべることのできない相手とどうやって愛を重ねていくのか、困難を乗り越えていくのか、人混みで彼を見失った瞬間の不安はどうやって拭えばいいのか…
パクソジュンに、イ・ジヌク、ソ・ガンジュンにイ・ドンウク…そしてユ・ヨンスク…いやいやもうこの一瞬ならば、夢のような世界やないかーい、と思わんでもないが、生活を重ねていくことはそう単純なことではない。

そんな彼を愛するイスを演じるハン・ヒョジュさんの思慮深い美しさよ…。
「ムービング」にて息子を独りで守り抜く、聡明で強い女性を演じていたハン・ヒョジュさん。
ああ、もっと早く観ればよかったと後悔する良作である。

最近、韓国映画はド派手なアクション系ばかり観ていたけれど、こういうしんみりした心に響く系もいいんだよな、と改めて思う。
結構好き。
アクションも上手いけれど、細やかな感情表現も上手いな、と思う。


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