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【覚書】アオハルを願う母心

先日、息子の学校の合唱コンクールがあった。
息子にとっては初めての合唱コンクール。
小学校の頃も音楽会はあったが、
どうかな、やっぱり違うかな?と
期待しながら見に行った。

私は「合唱」が好きだ。
歌うのは苦手だけれど、聴くのが好きだ。
私が通っていた中学校にも合唱コンクールなるものがあり、
私は下手ながら伴奏にチャレンジしたりして、
積極的に参加していた。

ミュージカルも好きだし、
「表参道高校合唱部!」も好きだったし、
宮下奈都さんの「よろこびの歌」も好きだ。
中高生の歌声が好きなのかも知れないが、
幼稚園児の歌声も好きだ。
子どもたちが通う園で、聖劇や卒園式で歌を聞かされると
毎度泣いていた。

息子の通う学校は6年制で、高校生のお兄さんお姉さん達の
歌声も聴くことができる。
息子たちは初めてで手探りながらも、
一生懸命歌う感じ。
これが学年が上がるごとに
自分たちであれやこれやと工夫をしていて、
大変面白かった。

各学年ごとに優秀賞をつけていたのだが、
学年が上がるごとに、それに対する熱も上がってくる。
歌が得意でない子もいるだろうし、
そこまで熱を入れんでも…という子だっているだろう。
合唱の技術の差は私にはわからないが、
それでも学年が上がるごとに
聴いていて「楽しい」「気持ちのいい」歌になっていく。
合唱に力を入れるクラス。
中にはクラップを入れたりするクラス。
全身で踊り出すように歌うクラス。
会場全体を巻き込むクラス。
J POPもあれば、昔ながらの合唱曲を歌うクラスもあり、
洋楽もあったり、と、
私の時代とは違うねえ、いや校風の問題だろうか。

うちの息子は、自分のことを「歌が下手」だと言う。
私も自分自身にその自覚があり、息子が決してうまくはないことも
知っている。私の遺伝かな、ごめんよ、と内心思ったりもする。
でも、息子が歌を好きなのも知っている。
私も夫もカラオケが好きではないので、
夏に子どもたちを旅行先でたまたま
カラオケに連れて行ったことが
「家族でカラオケ」の初めてだった。
息子が楽しそうに歌う様子が可愛くて可愛くて、
ああ、また連れてきてあげたいな、と思った。
「上手」じゃなくても、歌うのって楽しいってこと、
ずっと忘れずにいてほしい。
クラスで、みんなで歌うときに
歌いたい歌じゃない歌を歌うこともあると思う。
でも、みんなと何かを一緒にする、と言う楽しさを知っていてほしい。

それは気の合う相手同士だけではなく、
気の合わない相手も含めた「みんな」。
クラス全員が一丸となり、クラス全員が仲良しこよしなんてのは
奇跡だと思う。
中にはあるのかも知れないが、
四十人いたら、何人かは腹に一物あるもんだ。
でも、そんなのもぜーんぶひっくるめて
楽しんだ方が損がないと私は思うのだ。
(息子にそう言うと、斜に構えた息子に
「お母さんは楽観的だ」なんて言われたりするが)

クラス合唱は高校2年生がラストのようで、
3年生になると受験も控えて、学年合唱になっていた。
だから2年生の熱の入れ方は、他の学年とは
全く違っているように感じた。
全身で楽しそうだった。
ああ、私の息子もそんな風に楽しんでほしいなあと
眩しく見ていた。

アオハルだなあ、いいなあ。
私の子どもたちはこれからなんだなあ。
ああ、楽しい学生生活になるといいなあ。

そんなことを思いながら、
家路についた。


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