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【覚書】ねぼすけ失敗談

眠れない夜がないほどに眠ることが大好きな私。

睡魔に勝てずに失敗したことは山ほどある。「眠れない夜に」を考えていて、ふと思い出したのだが、それは学生時代。当時、お付き合いしていた人と海外旅行に一緒に行った際。旅行に行く前、若干私と彼は微妙な距離感になっていた。私の方は彼のことが好きで好きでたまならないのだが、彼にはそれが重く感じていたようで、別れるか別れないか微妙なところだった。
私の強い「押し」によって予定していた海外旅行を決行することにした。

旅行中は概ね喧嘩もなく、むしろいい感じだった私たち。
けれど、災難は旅の最後にやってきた。

今となっては何のトラブルだったか忘れてしまったが、帰りのフライトに遅れが生じた。おそらくお昼頃出発予定だったのが、深夜まで空港で待機することになった。
搭乗する頃には二人ともヘトヘト。
私は案の定、飛行機が離陸するや否や爆睡状態。
離陸して数時間経った頃、隣の彼が立ち上がる気配があった。
数分後、戻ってきて私に
「めちゃくちゃしんどい。吐いた」というようなことを言った。
私も「え!大丈夫?!」とは言った(と思う)のだが、それはもう条件反射のような、
いや、寝言のようなもので、
すぐさま睡魔に襲われて、気がついたら日本に到着していた。

帰国して数日後、私は振られた。

そらそうだよなあ、と今なら思う。
「しんどい」って言ってるのに、「え!大丈夫!?」だけ寝言のように答えて爆睡する女…最低すぎる。私だって願い下げだ。
おそらく疲労からエコノミー症候群みたいな感じになっていたものと思われる。
相当辛かっただろうなあ…と思うが、後の祭りだ。
「起きなきゃ…」と頭の隅では思うのだが、どうにもこうにも体が言うことを聞かない。
泥のように、とはまさにあのことか。
「大丈夫か…」とも心配する心はあったと思うが、とにかく目が開かない。

別れた当時、私はすごーく泣いた。
でも、彼の気持ちは戻らなかった。
実際、原因がそれかどうかはわからないけれど、もしあの時私が懸命に看病したりしていたら、もう少し長続きしたかもなあぐらいには思う。
当時、母に別れたことを報告したら、
「別れるつもりなら一緒に旅行行かなきゃいいのに!バカにしてる!」と憤慨していたが、よくよく考えてみれば、
旅行の最後が引き金というか決定打だったのでは、
と時が経って、思う。

私の個人的見解だけれど、恋愛や結婚は「タイミング」で、
今夫と生活できているのも、私があの頃より格別大人になったわけでもなく、
ただ「タイミング」が合っているだけのように思う。
それを「縁」とも言うかもしれない。
「優しくしてほしい時」に「優しくできる」状態だっただけ。
「そばにいてほしい時」に「そばにいる」ことができただけ。
身も蓋もないようだけれど、私はそんな気がしている。

夫婦間でもいつか「タイミング」がずれる日が来るかもしれない。
夫が優しくしてほしい時に私が見当違いなことをする時が来るかもしれない。
(いや、今もそれは多々ある気もするな…返答が間違っているといつも言われる)
逆に私が助けてほしい時に夫が助けてくれないことがあるかもしれない。
(それも多々あるな。大体、必要な時にいない。)
「タイミング」がズレ続ければ、関係に変化が生じることもあるだろうが、
今のところ「諦め」の決断を下す前に「タイミング」の修正が行われている、
もしくは決定的な瞬間には「いる」のかもしれない、と私は考えている。

それを考えたら、「ご縁」のせいか。
じゃあ、睡魔のせいじゃないかな。
いや、あのとき、しんどかった瞬間の彼には心の底から申し訳ないと思う。
でも、全体を見ればなるようになったということなんだろう。
ただ、大事に至らなくて良かったな、とは思う。


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