見出し画像

【ドラマ感想】スタート・アップ

「愛の不時着」「梨泰院クラス」「サイコだけど大丈夫」…さあ、次は何を見ようか。
「スタート・アップ」は若者の話っぽいし、私には合わないかもなあなんと思っておりましたが、大間違い。
一話目で十分にハマりました。
「スタート・アップ」は起業を目指す若者たちのお話。起業を目指す若者たちは「サンド・ボックス」に集まる。「サンド・ボックス」は起業を目指す若者たちが集まり、審査を受けて通れば半年間、事務所や備品、人件費の提供を受けることができる。そこで起業し、成功を目指す若者たち…という設定の一方で、
ソ・ダルミは15年前、父親が起業しようとしていた矢先に事故で亡くなる。ダルミを元気づけようと、おばあちゃんはある青年にダルミの同級生のフリをして手紙を書いてほしいと頼む。その青年は孤児で身よりがなく当てもなく彷徨っていたところをおばあちゃんに助けられていた。
手紙を書くにあたって、新聞記事で史上最年少で数学オリンピックで優勝した少年、ナム・ドサンの名前を借りる。
15年後、両親の離婚をきっかけに離れていた姉に対して、見栄を張るためにドサンを探すダルミ。そこから物語は始まる。

脚本も面白くて、テンポもよく、明るくて、観ていて楽しい。
でも、私の観点はそこではなく…
「どっちにしようか、迷う~!」
その一点で一人盛り上がる…

ナム・ドサン→天才的なプログラミングの才能があるにも関わらず、その弱気な性格のせいで成功できずにいる。自分の代わりをするように頼まれて、手紙のやり取りをした「ナム・ドサン」のふりをするうちにダルミを好きになり、誤解を現実にするために努力する。
ハン・ジピョン→孤児で彷徨っていたところをダルミのおばあさんに出会い、恩を感じている。その恩義に報いるためにナム・ドサンに頼み込み、ドサンを助ける。優秀で冷静沈着、投資家として成功している。

いや…3話目ぐらいから、もうドサンにフラグは立ってるんだよ。優しくていつもそばにいてくれて…自分に自信はないけど、髪の先から足の爪の先まで優しさでできてるような人間。そりゃあ、そんな人を選んだほうが幸せになるのは分かってる。分かってる。分かってるんだけど…私ならジピョンを選ぶ~と思いながら観てしまった。ジピョン、ジピョン、頑張れ。押せ!ジピョンを選んで!みたいな。
もちろんジピョンはスマートでお金持ちで年上、かっこいい。なのにドサンに張り合ってしまう可愛さもある。そこが魅力ではあるけれど…
そこじゃなくて、私は孤独なところに惹かれてしまうんだな…。
これを見て、確信してしまった。
ドサンのように愛情を両親から沢山受けてまっすぐ育った優しさ溢れる男の人の方がぜーったい幸せになれるのに(可愛らしくて魅力的だし)
両親からの愛情を受けず、孤独で人を疑って、人に甘えることが苦手なハン・ジピョンに惹かれてしまう私は…ドラマの主人公が選ばない男を好んでしまう私はもしかして幸せになれないんじゃないだろうか、そんな妄想にすら取りつかれてしまった。
思えば、「天使なんかじゃない」の晃に始まり、私はそんな男の人に好かれてしまう。
30過ぎて自分の好みをやっと知る。
結婚するなら絶対ナム・ドサンみたいな優しさの塊、愛情というものをきちんと知って育ってる人がいい。それは結婚生活の中で知った。なのに、ああドラマを観ていてどうしてもジピョンを選ぼうとする私は、そういう好みなんだわ。
「ハンチーム長は車も時計も持っていて、どうして何も持っていない僕のたった一つのものを欲しがるんですか」というドサンの言葉に、ジピョンは「全部あげるからそのひとつを僕にくれ」と言う。
私なら胸を射抜かれるね。
ジピョンはもちろんかなり魅力的に描かれている。普通の女子ならジピョンを選んで問題ない。問題ないんだけれど、自分の結婚生活で好みも変わるべきではないのか、学習しろよ、自分…と思ってしまった。
そもそもドラマの中で主人公が選ぶ相手をドサンみたいに優しい人にするっていうのはやはり時代だろうか…「冬ソナ」のチュンサンは影のある男だった。昔は影のある男を選びがちだったのに。今の若い女性は賢いな。
影があろうが、優しいよ、確かに。本当は優しいってのが売りだけどね。
でも、そういう人相手では苦労することが多いんだよ。
大体女性が与える側になるからね。

世の若い女性の選択が変わったように、20年の時を経て、「冬ソナ」のユジンのお母さん役をやっていた人がおばあちゃん役をされていた…時代は変わっていくのね。

世の男性観は変わっても、三つ子の魂百まで…私の男性の好みは変わらない。

AIとか起業とか、全く興味のない私でも十分に理解でき、熱を入れてみることができる脚本。丁寧だな、やっぱり。

ところで、「愛の不時着」のジュモク(韓国ドラマ大好きなジョンヒョクの部下)がドサンの友人役で出ていた。ジュモクに春が訪れていた。よかったよかった。


よろしければサポートお願いします!サポートいただいたお金は、新刊購入に当てたいと思います。それでまたこちらに感想を書きたいです。よろしくお願いします。