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【ドラマ感想】愛の不時着

ご存じ、再び韓流ブームを起こした火付け役ともいえる「愛の不時着」
2回目。観了。
熱い想いをただただ、ただただ、書き連ねてしまいそう。
…なので、私の一番好きなシーンについて書いて、〈感想〉としたい。
いわゆる〈押し〉シーン。
きっとファンの数だけ、それぞれ〈押し〉シーンがあると思う。
「分かる―!!!」「好き好きー!」「このシーンもいいよねー!」と語り合うことができたなら、その時が一番幸せ。

私の一番好きなシーンは
エピソード12
ユンセリをさらうために、チョチョルガンが韓国にやって来て、それを防ぐ(ユンセリを守る)ためにリジョンヒョクも韓国へやってきた。チョの動向を探りながらつかの間二人で穏やかな時間を過ごす。
で、二人で夜お酒を飲みながら話すシーン。


ユンセリ:「酔った」
リジョンヒョク:「酔ってる?」
ユンセリ:「すっかり」
リジョンヒョク:「よかった」
ユンセリ:「よっかた?」
リジョンヒョク:「酔ってるなら…言いたいんだ」
ユンセリ:「何が言いたいの?きれいって?」
リジョンヒョク:(首を振りながら)「違う」
ユンセリ:「否定しなくてもいいのに」
(すねた顔で)
     「じゃあ何?」
リジョンヒョク:「北に帰りたくない…帰るのがイヤだ。君とここにいたい」

人一倍まじめで、責任感の強いリジョンヒョクが、絶対にあり得ない本音を漏らす、というこのシーン。
さらに…


リジョンヒョク:「ここで君と結婚して、君に似た子どもも欲しい。」
ユンセリ:「娘がいい」
リジョンヒョク:「僕は双子がいい」
(ユンセリを優しく見つめながら)
リジョンヒョク:「見てみたい。君に白髪が生えて、シワもできて、老いてゆく姿を。きれいだろうな。」

これ、このセリフ。このセリフが一番好き。
初めに「きれいって言いたいの?」て聞かれて否定したくせに、ここで老いてゆく姿を想像して「きれいだろうな」と持ってくるリジョンヒョク。若い今を褒めそやすのではなく、未来を思い描いて「きれいだ」「見てみたい」と言ってくれる男性はそうはいまい。
古すぎるドラマで申し訳ないけれど、「101回目のプロポーズ」で主人公が死んだ婚約者が「50年後の君も愛してる」と言ってくれたことが忘れなかったのが、幼い頃まーったく理解できなかったけれど、今なら分かる。
ていうか、リジョンヒョクが教えてくれた。
「老いた君を見てみたい」は泣く。
一緒にいられないだろう二人だから、余計に響く、というのはもちろんあるけれど、当たり前のように一緒にいる二人だって、分かってるのに分かってない。
いつかは老いる、ということ。
「愛の不時着」の2人はずっとそばにいられないからこそ、未来を想像して、そこまで一緒にいたい、と言うことに余計に切なさがこみ上げるわけだけど、
そうじゃなくてもこのセリフは応える。
世の女性陣はそうじゃなかろうか。
いつかは老いる、それを想像して、綺麗だろうな、そんな君も見たい、なんて言ってくれる人がいたら迷わずついていくべき。

北朝鮮ではお互い惹かれ合いながらも、決して未来はない、と思い泣く泣く諦めた2人、別れ際に想いを確認し合いながらも、決して未来を語り合うことは許されなかった。
韓国で再会して、想いを確認し合った二人。けれども現実問題として、お互いが結ばれることは難しい。けれど、酔いを借りて、「きっと忘れちゃうから」とお互いに言い訳をして、未来を語り合う。
普通の恋人にはよくある仲睦まじいシーンだけれど、いずれ別れ行く二人、決して訪れない未来を想像する二人は切なすぎる。

山ほどの名シーン・大好きなシーンがあるので一度では語りつくせない。
3回目…4回目…と見て、何度も語ってしまいそう。

もうひとつ。なるほどなーと唸らされたシーンが、韓国にリジョンヒョクを連れ戻すべく隊員たちが派遣される。スポーツバーみたいなところでみんなで食事をしていたら、日本対韓国のサッカー試合が中継されている。それを見て、みんなして盛り上がり、いつもは「騙されないぞ」とか言ってるピョチスまで韓国を応援してしまうシーン。
いやあ、日本人としては悲しいばかりだけど、本当にそういうものなんだよな。「共通の敵」がいると、「ひとつ」になる。
韓国と北朝鮮は相いれないものとして今もあるけれど、きっと日本のことを共通して敵対視、ライバル視している。
小さい頃、私の父も言っていた。
「世界中から紛争をなくそうと思ったら、宇宙人が攻めてきたら一発だ。外に敵がいたら、みんな団結するんだ。宇宙から攻めてくる奴がいたら、地球上から紛争はなくなる。」
父はただのおっさんです。
でも、このシーンを見て、その言葉を思い出した。
日本人としては悲しいんだけれど、でも、そういうことも理解して受け入れて、冷静にいいドラマはいい、と言えたら、それもまた平和への第一歩じゃない?そして、このシーンを作り出せる韓国人はそのことをきちんと冷静に理解しているんだろうな、と感じた。
こうしたら一つになれるんだよ、って。


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