ドラマ三昧

 社会人になるまでの残り2ヶ月、旅行に出かける以外はバイトもせず精を出していたこと、それはひたすらTVを見ることだった!
 
 ちょうどTVerでは山下智久さん祭りが開催されていた。
「山P」というニックネームで呼ばれ奇跡の顔面を持つ人の出演ドラマは、これまで『コードブルー』と『池袋ウェストゲートパーク』『野ブタをプロデュース。』しか見たことがなかったので、この機会に見倒すことにした。諸事情で久しく地上波では見ていない気がするが、改めて華がある人だと実感する。

山下さんの出演ドラマから
『ランチの女王(2002)』
『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜(2009)』
『SUMMER NUDE(2013) 』
『正直不動産』

※『プロポーズ大作戦(2007)』は途中で挫折した。

それ以外に、
『素顔のままで(1992)』
『高校教師(1993)』
『白線流し(1996)』
『コントが始まる(2021)』


現在放映中の中からは
『不適切にもほどがある!』
 
 この中で初見じゃないドラマは、『高校教師』だけである。
 いつのことだろう。バレンタインの季節だったから多分3学期、試験勉強をしていた深夜、気晴らしにテレビを付けてザッピングしていたらBSで放映中のこのドラマに出会った。たしか3話だったと思う。同性愛を扱ったショッキングな内容に一気に目が覚めた。
桜井幸子さんがとんでもなく可愛い
真田広之さんがとんでもなくかっこいい
とんでもレベルの容姿を持つ二人が紡ぐ、不器用で純粋な愛と壊れそうに儚い世界観に一気に引き込まれ、同時にヤバいものという認識もあって毎週深夜、家族に隠れてこそこそ視聴したことを思い出す。見逃した1、2話も見たいがために、TSUTAYAでレンタルまでしてきたことも懐かしい。
 
 TVerは、全話一気に見ることはできないところがまたいい。まるでリアタイしている気分で、連日各ドラマを一話ごとに視聴していく。

 ちょうど『素顔のままで』と『SUMMER NUDE』は、「友達の好きな人を好きになってしまう」という共通の設定があった。『ブザービート』も好きになってはいけない人に惹かれて悩むから、まあ同じようなシチュエーションともいえる。
 メンバー構成からいって、やがて「こっち」と「あっち」がくっつくのはわかりきっているが、いったいどうやって自然にその方向に持っていくのだろうと興味深く見ていた。

 『素顔のままで』は、「タブー同士が抱き合っているところを友達に見られてバレる」典型的なパターンだったのに対し、『SUMMER NUDE』は、じゃない者同士がさあこれから付き合おうってときに、ずっと好きだったほうがなぜか「もういいや」ってなる離れ業を使っていて、呆気に取られた。『ブザービート』は、相手の浮気を知り別れるという主人公には何も非がない正攻法だ。

 結ばれる設定の2人が結ばれるまでの過程がドラマであり、共感したり、ご都合主義にはこんなことあるかーい!と突っ込みながら見るのは楽しかった。やっとくっついてめでたしめでたしの『SUMMER NUDE』『ブザービート』な王道に対し、『素顔のままで』はとんでもない結末へと向かっていく。
 カンナはショックで行方不明、その後結婚したゆみことかずやだが、かずやが仕事がうまくいかないから離婚したいと言い出すのだ。「ハ?」。もうドラマも終わりそうなのに何言ってんだこいつと思っていたらその後も物語は続く。かずやはドラマにありがちな海外へ行き、残されたゆみこは妊娠発覚。おまけに心臓病まで患っていることがわかり出産自体が危ぶまれるのに強行して死んでしまう。
 そして数年後の映像である。なぜかカンナがそのとき生まれたらしい子に「ママ」って呼ばれてるんだけど。二回目の「ハ?」。かずやどこ行った?ゆみこもかずやもカンナを傷つけたくせに血のつながらない子まで押し付けて無責任すぎ。「んなバカな」すぎて声出して笑ってしまった。
 しかし中森明菜さんがドラマ中ずっとタバコで枯らしたようなハスキーな声を発していて、あれも演技なのかもしれないけど「かーずやー」「ゆ、ゆーみこー」と呼びかける声が今も耳から離れない。

 『ランチの女王』『ブザー・ビート』『SUMMER NUDE』『コントが始まる』『不適切にもほどがある!』は、最終回まで夢中で引っ張られたが、ラストは呆気なく感じた。
 『白線流し』は、主人公たちそれぞれのラストの涙が本気の涙のようで初々しさに引き込まれた。この先もシリーズは続いていくらしいから好評だったのだろうね。
 『高校教師』の最終回を見る前は、今日がそれに相応しい時間かどうかまで計算して身構えてしまう。それくらい余韻が半端なく続く。
 
 こんなにもテレビ漬けで過ごせる日々を送れることはもう二度とないかもしれない。贅沢で貴重な時間だった。ドラマ以外にもそういえば「死霊館」シリーズも見たのだけど、その感想はまた次の機会に綴ろう。


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