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夏になったら
*
誰も食べないモンブラン
どんな気持ちで買ってきたんだろう
最後に向き合って話したのはいつだった
会社に行くのを阻止するために泣きながらお腹にくっついていたあの頃
年頃なのでもうくっついたりはしない
けれど寂しくないかたまに様子は見に来るよ
**
巻き返そうとそれなりに頑張る日々
たまにはズル休みで気分を保とう
机の上に冷たい届書
現実味を帯びた君の瞳
できることなら側にいて欲しい
何のために走ってきたのか
二階建てにひとりぼっちの僕
テレビを観ながら飲むビール
飲み過ぎと怒る声が聞こえた気がした
子どもたちの寝顔 犬が走り回る音が遠くなり
換気扇の下で煙上げる君を見た気がした
記憶の中で生き続ける僕に どうか朝が来ませんように
みなみ まる
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