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短歌

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南河内や奥河内などの風景を眺めながら短歌を詠ったものを集めました。個人的には俳句・川柳の5.7.5より、短歌の5.7.5.7.7の方が好きです。
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#シロクマ文芸部

朧月 拡大鏡に 見えるもの 超硬素材 知らぬ知識に

朧月?と思わず口走ってしまった。拡大鏡である素材をモニターを通して見ているのに、月なわけ…

卒業の 帰り見つけた 意外もの 焦げの松明 臨場感

卒業のタイミングの立ち会ってきた。もちろん卒業生ではない。卒業式に出席した来賓である。別…

春と風 意外に見える 黄色花 ミモザの前に 集いしモデル

春と風が心地より晴れた3月、一足早く咲く桜を求めて公園を目指した。「ソメイヨシノ以外の桜…

閏年 旅立つ先で 迎える日 闇から始め 目指す空港

閏年、4年に1度あるこの日を日本以外で過ごすことになった。一面闇が覆った日が昇る前の雨の駅…

梅の花 定番以外 見つからず 視線の先は モノづくりの技 

梅の花を求めながらいつも疑問に思うことは、毎年新たな梅の花を探していることだ。定番のスポ…

裏方の 活躍眺め 冬の雨 楽しそうなの 羨ましいか 

チョコレートの破片の一部が道端に落ちていたが、この生命体はまったく意に介さない。人々から…

青写真 似合う冬空 水写し 空海真似た 三万歩き

青写真とは、青い空そして青い水から名づけられたのではと思いたくなる場所に来た。無意識にスマホで撮影をしていたその画像は、青い空とその空を鏡のように水面に映し出す青い池。 「本来の青写真とは違うのだろうけれど、これは青写真だ」と思った。まだウォーキングの途中なのに、思わず立ち止まった瞬間だったのだ。 この日は空海が歩いた、いや高野山に続く道を逆方向に歩く1日である。全部歩けば3万歩に達すると思われる長距離歩行のまだ序盤だ。まだまだ先は長いから、ずっと見たい風景だけれど先を急が

布団から でれた勇気で 初不動 新たな移動 体ぬくもり

布団から出る。勇気がいる冬の休日。このまま布団にこもれば至福の時が続く。休日なのだからそ…

雪化粧 降りた下界で ハンバーグ 昭和名残 アーケード見て

「雪化粧、やっぱり頂上はすごいな」下界に降りてきて今登った山を見つめて一言つぶやいた。朝…

本を書く 話題求めし 冬ホール 太鼓の響き ヒントの予感

本を書くと意気込んでみたものの、それから24時間が経過した。年明け早々決意したが、根本的な…

新しい 年も歩くと 早決めて 楠公道路 川まで歩き

新しい年に何を始めようかと外に出る。やっぱりこれしかないと始めたのはウォーキングだ。いろ…

最後の日 無謀なことを やる師走 謎標識 命救われ

最後の日になるところだった。「なんとバカなことを考えてしまったのだろう」踏切から見える謎…

振り返る 過去のことなど 忘れたく けど思い出は しばらく残り

振り返る。やっぱり違うと思った。まだ数日前までの記憶が残る駅前広場。今までは同じ色をした…

ありがとう 花に囲まれ クリスマス 感謝の年 来年続け

「ありがとう」と言う声がすぐ近くで聞こえた。道の駅でイベントの屋台出店しているお店に、何かを購入した人が発した言葉のようだ。 今日は日曜日である。一応晴れているが、寒さが一段と厳しくなっていた。その中を小さな川に架かる橋を渡る。その瞬間、十分に冷えた突風が体を突き刺した。思わず体が震える。けど我慢してそのまま向かったのは、階段を上った先にある植物園だ。 「来週のデート下見か、花が好きだと言ってたからな」前の日に初めて居酒屋で、ふたりきりになれた気になる相手。あの時は舞い上が