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短歌

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南河内や奥河内などの風景を眺めながら短歌を詠ったものを集めました。個人的には俳句・川柳の5.7.5より、短歌の5.7.5.7.7の方が好きです。
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2024年1月の記事一覧

冬仕事 見学回る 酒蔵で 楽しみ試飲 旨味味わい  

「歴史の説明は初めての人もいるから当然だな。よし終わったぞ、ふむ、そうだった。最初は外で…

冬の夜 思わず見つけ 土産の字 買った後から 固まる時間  

寒さをこらえながら冬の夜に自動販売機まできてジュースを買おうと歩いてきた。金額を見ると5…

参拝を 済ませ見上げる 冬のそら 疑問胸にし 果樹園見て

果樹園畑が広がる集落の中にある小さな神社に参拝に来たのは、今月からこの地に来た若者だった…

石碑見て 歴史を思う 睦月かな 決断の時 字より連想 

スーパーに入ると等身大の鬼がいる。節分が近いんだとすぐに思った。鬼といってもスーパーの鬼…

布団から でれた勇気で 初不動 新たな移動 体ぬくもり

布団から出る。勇気がいる冬の休日。このまま布団にこもれば至福の時が続く。休日なのだからそ…

路地奥に 逃げて見つけた 冬水場 ギリのところで どんでん返し

「よし、どこか隠れるところはないか」後ろを振り返ったが追ってはこない。もう少しのところで…

無意識に 冬マラソンで 渡る橋 記録諦め 谷でも見るか

時計を見る。その瞬間少しうなだれた。どうやら今年は目標は果たせないとわかったから。 地元で行われるので毎年参加するマラソン大会、大きな湖面を3回回るというコース設定だ。昨年は自己記録を更新できたので、今年はそれをさらに上回るためにこの日まで走っていた。だがそれは果たせそうにもない。どう考えても今からでは自己記録更新は難しく、昨年の記録に達することはないだろう。 昨年と比べてコンディションも良くなかったし、ペース配分もアンバランスであった。だからなのだろう。湖を回ってからゴー

村行きて スイセン眺め 目を癒し 口を癒すは スパイスの味

私が村に来た理由はほかでもない。冬に咲くスイセンの名所があることだった。「スイセンが咲い…

朝のバス 一番乗りを 目指す冬 気付き焦せった 時計の一枚

目を開けて時計を見た。朝5時になろうとしている。早く寝たがどうも眠りが浅い。理由は分かっ…

一月に 山奥で見た 寺眺め 由来想像 知的遊びか 

新年早々の恒例の神事が行われている。山の奥にある小さな集落にあった。普段は人気の少ない神…

居酒屋の ランチ納得 睦月かな 酒飲まずとも 口元ゆるみ

ランチメニューを見た。「これならば入れると」暖簾をくぐる。入った居酒屋はとの出会いは3か…

冬の午後 トイレの前に 石碑見て 意味をわかりて 歴史に思い

トイレに行きたくなった。冬空を散歩している時のことだ。この日は曇っていたが、それほど寒く…

冬の空 帰り道での ため池で 開けた口調 トロンボーンか

あそこにもため池があると、歩きながらつぶやいた。今日は重要な顧客への外回りの帰りだ。顧客…

雪化粧 降りた下界で ハンバーグ 昭和名残 アーケード見て

「雪化粧、やっぱり頂上はすごいな」下界に降りてきて今登った山を見つめて一言つぶやいた。朝早くからの冬山登山。この地域では最も高い山だが、標高は1200メートルにも満たない。それに毎日に登山を試みる人が多い場所で、登山道も驚くほど整備されているような山だ。だから少し舐めていた。本来なら足元にはアイゼンのようなすべり止めを用意するべきだったのに、そんなものなしで山を登ったのだから。 「あんなに滑るとは、下界と山頂では別世界だ」雪が舞う山の中で、何度滑りかけたのだろう。それでもト