“Later Than You Think“ by Fritz Leiber (1)

“Later Than You Think“ by Fritz Leiber (1)
https://www.gutenberg.org/files/50753/50753-h/50753-h.htm

明らかにその考古学者の研究は、今日とはずっと離れた時代に属していた。
あちこちに存在する見覚えのある類似点が異質感を鮮明にしていた。 
天井にある窓から差し込む陽の光は白く緑色がかっていて、壁や床に塗られた発光物質からの放射でさらに明るさを増していた。
広い机やゆったりしたクッションでさえ安らかな光で輝いていた。
机の向こうには金属で裏打ちされた蝋製の板やタッチペンや大きな変な格好の眼鏡が散らばっていた。
本がいっぱい詰め込まれた本棚は特に変わった形ではなかったが、その本は金属製で、背に書かれた文字は現代の言語学者の中でも最も博識な人にとっても全く馴染みのないものであっただろう。
クッションの上に開いたまま置かれた本は、薄く柔軟な錆びない金属のページに、発光する文字が描かれていた。
本棚の間には、主に海の底を描いた、地味な緑色と茶色の燐光を発する油絵があった。
それらの絵は写実的でも抽象的でもなく、美術史家を困惑させるだろう。
大きな色の付いたクレヨンが添えられた黒板は学校の教室やアトリエを彷彿とさせた。

部屋の中央には天井の真ん中から息をのむ程に美しい虹色の鱗を持った魚が吊り下げられていた。
魚をつるした糸が見えないのは、奇妙な絵画と緑っぽい色の光を考えに入れると、その物体は海の中の景色を表していると言えるだろう。

探検家は芝居がかった動きで登場した。
彼は不愛想な老人、考古学者を驚かせるために計算しつくした、温かさで抱きしめた。
そして彼はクッションに座り、見上げ、我々が知っていいるどんな話かたとも全く異なる話し方で質問をした。
それは我々が他の言語というより別のコミニュケーション手段と呼ぶに違いないものだ。
「で、どうだった?」という内容だった。

考古学者は驚いたかもしれないが、それを隠していた。
彼の表情は、長い間逢っていない友人との再会の喜びだけを表していた。

「何がどうしたんだい?」と彼は聞いた。
「君の発見の事さ!」

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