“Writing Box” by Milorad Pavic (23)

“Writing Box” by Milorad Pavic (23)
https://jp1lib.org/book/16698678/7e0b66
 
 本屋「シェークスピア」のガラスの後ろに灰色の紙があり、大きな文字で、英語で次のように書いてあった:

                  求む!
ハザール辞書(男性版)を持っている青年が、ハザール辞書(女性版)を持っている女性を探しています。
目的: 辞書と会話の交換。 電話番号: 22 52 39…

「分かった?」
「いいえ。」
「それがあなたに恋人がいない理由なのよ。
私は新しい恋人にふさわしく、新しい香水「エリザベス アーデン」のブルー・グラスを買ったばかりだけど、ここシェークスピア書店でその女性版を見つけたのよ。
それはクノップのニューヨーク版の辞書で、293ページに同じような文が掲載されているの。
広告のこの若者が交換の対象として探しているものと同じものです。
それを手に、広告の電話番号に電話をかけるわ。
彼の本の内容を見るためだけに…」

                 2-6

白黒の容器
 ふたを持ち上げて箱を開けると、(前にも言ったように)書き込みができる面に達する。
この面は色々の補助器具を箱の区切りの間を動かす事ができるように、真鍮の縁が付いている。
縁の所には気閘きこうが2つ付いていて一つは内側用の隔壁で、そっちのほうが外向けの隔壁よりも大きい。
それは三角形の開口部のあるパイプのような形をしている。
その鍵は歯を抜くのに使われていた器具に似ている。
その真鍮は腐食していてあちらこちら緑色になっている。


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