“Writing Box” by Milorad Pavic (56)

“Writing Box” by Milorad Pavic (56)
https://jp1lib.org/book/16698678/7e0b66
 「ユーゴスラビアではいたるところで銃撃戦があります。
私は家を所有できるか確信できません。
サロニカの近くにある母の家はどうですか?」
 
 彼は彼の書類にはギリシャにある他の家についての言及はないと答えた。
しかし彼は言い添えた:
 
 「もしあなたが望むのなら、わたしはここで、あなたにコルトにある家の買い手を見つけてあげることができます。
あなたは今私から頭金を受け取ることもできます・・・。」
 
 私はお金を受け取って空のトラックでトリノを発ちトラックの通行許可証を携えてイタリア―フランス国境を越えた。
私は街の外の道にトラックを永遠に置き去りにし、それを本社にその場所を見つけられるように電話し、それが壊れたことを説明した。
電話の向こうの上司は、何も理解できなかった。
彼はトラックと私がフランスで何をしていたのか知るために、セルビア語をしゃべる人を電話口に連れて来たがっているようだった。
 
 「私はセビリア語は話せません、」とイタリア語で短く言って電話を切った。
それから私はまたあなたの事を思った。
私はパリのあなたの電話番号に電話を掛けた。
私はあなたのフィーユ・デュ・カルヴェール通りの電話が鳴ったので、またこのようなメッセージを残した。
 
 私はあなたがその森が移動することは知らないと思いますか?
森たちが動き始める時は、その森にとってより良い場所に向かって、ゆっくりと長い間旅をする。
彼らは秋に旅立ちたがる。
鳥たちの様に。それとも人の様に・・・
 
 
                  レッスン6
 

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