“Heart of Darkness” by Joseph Conrad (48)
“Heart of Darkness” by Joseph Conrad (48)
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「急げ、」どこへ?
川を遡れって事か?
「注意して近づけ」
我々はそうしたことはなかった。
しかし警告は近づいた後に分かる場所についてだけを意味していないはずはないだろう。
何かが間違っていた。
しかし何が、どれほど?
それが問題だった。
我々は逆にその電文形式のばかばかしさについて批評した。
周りの茂みは何も言わなかったし、我々にずっと遠くを見させることもしなかった。
ちぎれた赤い織物のカーテンが小屋のドアに掛かっていて、俺たちの顔を悲しげに撫ぜた。
住居は解体されていたが、俺たちにはそれほど昔ではなくそこに白人が住んでいたと分かった。
そこには2つの支柱に厚板を置いただけの粗末なテーブルが残っていて、暗い片隅にはガラクタの山が有った。
そして俺はドアの近くで一冊の本を拾い上げた。
カバーは無くなっていたし、ページはひどく汚くよごれていた。:
しかし、後ろは白い糸で愛情をこめて縫い取りがして有り、まだきれいに見えた。
それは途方もない発見だった。
その本の題は、陛下の海軍の熟練工タウザー、タウソン、そのような名前の著者の書いた、「船乗りのいくつかのポイントの問い合わせ」だった。
内容は図や表が付いていて読むには十分なほど退屈で、60年も前のものだった。
俺の手の中でバラバラになってしまわないように出来るだけ丁寧にそれを扱った。
その中で、タウソンまたは工タウザーは、船の鎖や鋲の破断歪みなどについて真剣に調査していた。
あまり魅力的な本ではなかったが、一目見ただけで、そこには仕事をちゃんとやると言う、単純な意図があった。
その事は、ずっと昔に考えられたものであっても、これらのみすぼらしい各ページを他の専門的な光以外の光で輝いた物にしていた。
鎖と滑車の事を話す単純な老水夫は間違いなく現実的な何かに出逢ったと言う豊饒な感覚で俺にジャングルと巡礼者を忘れさせてくれた。
そんな本がそこにあることは素晴らしい事だが、もっとびっくりする事には空白に鉛筆でメモが書いてあり、本文に簡素に言及していることだった。