“The Pilot’s Wife” by Anita Shreve (182)
“The Pilot’s Wife” by Anita Shreve (182)
キャサリンは仕事場の椅子でクルっと回転し、窓枠の外に降り積もっている雪のをじっと見つめた。
それは水槽の中の水のように見えた。
ミューラーはここにいた、とある声が言った。
「ロバートは一緒なの?」と、ジュリアが聞いた。
「はい。」
「彼はここに来たの、あなた知ってるでしょ。」
「知っているわ。」
「じゃあ、あなたは・・・」
「クルーのアパートについて?知っているわ。」
キャサリンは片足をあげて膝に腕を回した。
4年間離れた2つのメモ一つのイニシャルで繋がった。
キャサリンは不安に押しつぶされるように感じ、すぐに額に汗がにじんできた。
「信仰を失わないで、」と、ジュリアが言った。
「それはどんな信仰なの、実のところ?」
「言っている意味、分かるわよね。」
「分かろうとしないつもりよ。」
「天気予報が変わったみたいよ、」と、ジュリアが言った。
「10時から12時の分の。」
「すぐあっちに行った方がいいかしら、」と、キャサリンは袖で額を拭きながら言った。
「バカなこと言わないで。必要が無ければ外出はしないで。
食べ物はあるの?」
食べ物のことを考えるなんてジュリアらしいわ。
「私は食べたところよ、」と、キャサリンは言った。
「マティーと話せる?」
電話のもう一方の側で沈黙があった。
「分かるでしょ、」と、ジュリアは慎重に言った、「マティーは忙しいのよ。彼女は元気よ。
もしあなたが彼女と話せば、彼女は悲しくなって、離れて行ってしまうでしょう。
彼女にはビデオを見たりポップコーンを食べたりするだけの、数日間の休養が必要なの。
それは薬のようなもので、彼女にはできるだけ長くそれが必要なんです。
彼女には癒しが必要なの、キャサリン。」